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ユニバーサルサービス支援で心のバリアを解除!

最近よくユニバーサルサービスという言葉を聞けるようになりましたが、

ユニバーサルサービスとは、どういったものかご存知でしょうか?

障害者などのサポートが必要な方々の多様性や特性を理解し、共感することで日常的に適切なサポートを行っていくことです。

ユニバーサルとは普遍的な、すべての、宇宙的なと言った意味があり、障害や国や年齢、性別などすべての人々に共通した物や人的サービスという事です。

今回は、ダウン症の方にとって、世の中で認知されつつあるユニバーサルサービスがどのような助けになるのか、メリットやデメリットを見ていきます。

ダウン症とユニバーサルサービス

障害者といっても、ダウン症は、障害カテゴリーの一部で、他に様々な種類がありますよね。

特に、目の病気や耳の病気を持つ人。または手足が不自由な方が圧倒的に多いです。

知的障害の方の多くは、合併症などの病気や他の体の何処かも合わせて影響がでている場合が多いです。

ダウン症の方は、歩行や視力が悪い傾向にあります。

そのような障害者と生きていくために、これから世の中がユニバーサルやダイバーシティの考えが更に進むと、どのような変化があるのでしょうか?

実は、もう変化は起き始めています。

特に地方で顕著です。

余談ですが、私は、障害者の話を聞くことが多いですが、

日本に住んでいる外国人の方で、体の不自由な方が増えてきているのです。

ある地方都市では、すでに対応苦慮しており、専門のアドバイザー要請が鳴り止まないそうです。

しかし、人的に足りず、サポートの仕方も分からない事が多い状況で、言語も違うといった対応するのは困難です。

外国人受け入れが進む日本では、当たり前の現状にもなっているのです。

では、障害者や体が不自由な人はどのような事が困っているのでしょうか。

例えば、以下の様なものがあります。

  • 長い距離を歩いたり、すばやく行動出来ない
  • 転倒しやすい
  • 関節がまわらなくなる
  • 手話は第2言語レベルで覚えられない
  • 特に高い音が聞こえない
  • 見た目で分からない事が多い
  • 健常者と同じタイミングで情報が入ってこない
  • 不安的な情勢で、災害などの時にどうしていいか不安

これは、かなりの部分でダウン症にも当てはまります。

ではうまくこのユニバーサルサービスが広まれば彼らは日常的にも救われるのでしょうか?

救われない理由があります。

それは、バリアです。

今の日本には、環境のバリアと心のバリアというものがあります。

環境のバリアは、行動を制限させる物理的なものです。段差だったり、エスカレーターだったりです。

心のバリアは、相手に心を閉ざすという意味です。障害者や体が不自由な方への敬遠です。

私は、ダウン症のお子さんを持った方に会った時に聞きます。

「環境と心。どちらのバリアを日常で感じますか?」

多くの方が、心のバリアを感じると言います。これを解決しないと先に進む事はできません。

心のバリアの最大の問題は、障害者や体が不自由な方に声をかける行動が出来ない事です。

でも、その気持も良く分かります。

恐怖や不安の感情が根本にあると思います。

そういった課題を解決していこうというのが、ユニバーサルサービスの一つの試みでもあるのです。

ユニバーサルサービスでのダウン症への支援方法や仕方

では、ユニバーサルサービスではどのような実技があるのか分かりやすく説明します。

これは多くの面でダウン症の方への対応にもなります。

基本的なアプローチは、以下の様なものです。

  • 笑顔が絶対 →特に目が不自由な人は敏感に笑顔の量を感じ取ります。
  • 周囲に気配りして、声をかける →後ろから声をかけると凄くびっくりするのでやってはいけません
  • サポート方法を確かめる →どんなサポートが必要なのかきちんと聞かないと、何度もサポートが必要になる
  • さり気なく対応する →ハンデを認めたくない方もいる
  • 周囲の人と協力する →人1人動かしたりする場合、体力やアイデアが足りない場合があります。

同伴者の親とかでなく、本人に声をかける 

特に、本人にきちんと声をかける事が重要です。

障害者は透明人間か?

なぜ本人に直接声をかけるのが重要なのでしょうか。

障害者はいいます。

「自分が透明人間のよう」

生きている意味もないと感じる程なのです。

私が一番大切だと思うのは、きちんと本人と対等に接するという事です。

それによって相手も安心するし、なにより本当に必要なサポートを知ることが出来るからです。

こんな経験をしました。

私の住んでいる街の駅近く、家から出て県道脇の整然としたレンガ調の道を進み、駅まで半分くらいの距離で信号に捕まりました。

信号待ちをしていると、白杖(杖)を持った方が声をかけてきました。

年齢はちょうど30歳くらいだったでしょうか、黒のダウンにジーパン姿。

聞くと、近くの耳鼻科に行きたいそうで、電車で乗り継いで、ここまで来たというのです。

確かに、その耳鼻科は先生が個性的で、口コミでいい先生がいると有名になっていると聞いたし、

私もお気に入りの病院で、すごく親近感が湧いたのを憶えています。

そこまで、一緒に手をとって連れて行くのに、20分程。自分で歩けば5分かかりません。

はじめに私が話した事は、自分は安全な人間で、確実にそこに連れていく約束をした事でした。

そうすることで、相手の方も会話は非常に嬉しそうだったし、私も心をニュートラルにする事で、様々な話をする事が出来ました。

不安や恐怖などのストッパーなどをなくす事で、相手を受け入れる事が出来ます。

そうやって私も、日々の生活やクライアントとの心の共有をしていますし、あなたにも出来きると思います。

うまくいかないエピソードもあります。

聞いたのは、ある視覚障害者のAさんのケース。Aさんの視力は、中央の一部しか見えません。

頼りにしていた、専属のお医者さんに、

「あなたの目は、あと1ヶ月で見えなくなります。」

Aさんは、絶望したのですが最後に、世の中の景色を見る事が出来なくなる前に、世界を旅しようと計画し、旅にでたのです。

移動中は、視界が極端に狭いので、視覚障害者がもつ白杖(杖)を頼りに、電車に乗り、空港を目指していた時、

空席があったので、誘導してくれる方がいました。なんとも優しそうな人。

席に座わりしばらく後、優先席が空いたので、でそちらに移動しようと、杖を使わずにささっと移動した、

その時、誘導してくれた人から、

「目悪くねーじゃないか!インチキするな!」

と罵声を浴びたのです。

まさかの事態に、Aさんは怖くなってしまい、次の駅で急いで電車をおり、すべてを否定された感情に包まれてしまい、そのまま家で引きこもってしまったのだそうです。

罵声を浴びせた人は、Aさんが視覚障害者だと思って、サポートしたのに、違っていた。

嘘をつかれた、インチキだと思い、怒りをぶつけて来たのです。

視覚障害者も様々な種類があり、全盲の人もいれば、半分見えたり、中央だけが見えたりと症状は様々なのです。

この人は、心の疑念や怒りをどのようにコントロールすれば良かったのでしょうか。

環境のバリアと心のバリアを外す方法

最悪の事態を想定する

まず、最悪の事態を意識します。こうする事で、途中までうまくいっていた時に起きる

偶発的なトラブルに耐える心の準備が出来ます。

人間は、想定外の急激な心理的変化を受けると、その情報を強く頭にインプットしてしまい、その行動がマイナスの恐怖感情を紐づけて、直後の行動に影響を与えます。

また、想定外の出来事は、いつまでも憶えているもので、それが今後の障害者のサポートの対応を自ら遠ざける原因にもなってしまいます。

なので、初めから想定しておくのです。

数秒でもいいので声をかける時に準備するのも一つの方法です。

すべき思考にとらわれない

全盲の人は目が少しでも見えていたらだめだ、と思い込んでいる場合があります。

たしかに、目が不自由な人は、見た目でどこまでの症状なのか判断がつかない場合が多いです。

メディアなどの障害者への極端なイメージのせいで、出来るか出来ないかの感覚になっているかもしれません。

例えば、障害者に怖いイメージを持っている場合、あなたは、過去に障害者から嫌な目に会ったかもしれません。

または、周りの人からの体験談を聞いて、気をつけるよう強く注意されたり、いろんな情報から恐怖を抱いているかもしれません。

あなたが障害者には気をつけないといけないという、信念を持っている場合、実は逆に障害者に親切にしてあげないと障害者が困る、というような光の信念も同時に持ち合わせている可能性があります。

障害者に対しての罪悪感や思いが感情として現れる場合は、障害者へのいい面も悪い面も持っているのです。

でなければ感情として反応することはないからです。

あなたは、障害者に親切にしてあげないといけないという感情にブレーキをかけているのかもしれません。

昔の子供の頃の、素の自分に戻ってどんな情報がブレーキをかけているのか探ってみるのも良いです。

障害者の良い面も悪い面も受け入れて、ニュートラルな感情にするのです。

そうすれば、障害者への心のバリアは、すっと消えていきます。

今回は、ユニバーサルサービスの観点から、ダウン症の子供へのサポートがどのようなものか、をお伝えしました。

あなた次第で、積極的に取り入れる事が可能です。

さらに具体的な方法は、各企業がユニバーサルサービスの研修をしていますので、

「ユニバーサルサービス 障害者支援」や「ユニバーサルサービス 講習」

などで検索してみるのもいいかもしれません。

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初めまして。次男はダウン症(21t標準)です。ダウン症の子を育てるうえで私が本当に大切だと思ったこと、実践して日常生活に役にたったことを書いています。興味があれば他の記事も覗いていってくださいね。

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