やりたいことが生まれる時
ダウン症の子に、たくさんの教育は必要無い、と思っています。
なぜなら、本当に必要なものは限られているからです。
私達は、各年代でいろんな教育を受けています。小学校から中学までの義務教育、そして高校から大学までの高等教育など、一般的な教育もあれば、幼児教育として◯◯式などの知的向上教育などがあります。
あなたは、お子さんにたくさんの事を教えてあげたいと思っているはずです。
ダウン症の子だから、なんとか少しでも会話や生活に最低限の知識を身に着けてほしいと思い強い言葉で躾などしていないでしょうか。
本当にそれは、その子がやりたいことでしょうか。
やりたいことの力は凄いです。
例えば、私は小学生の頃、社会科がすごく苦手でした。とにかく色んな地名など意味もなく覚えることに意味を感じてなく、苦痛でまったく頭に入ってきませんでした。
何か自分に反抗するような感情があったのです。
小学6年の時、自分の世界地図を作るという宿題がありました。これが自分は何故かハマったのです。
自分の記憶では、綿密に世界の河や山、それに関する特徴など事細かく調べ初めてしまい、何日間か宿題提出が終わっても、深夜まで作り作り続けたのをあの部屋の空気感と一緒に鮮明に覚えています。
その直後から何が変わったのかは自分では分かりませんでしたが、社会科やそれ以降の中学高校の地理は大好きな科目になりました。
自分でも何でやる気に火がつくのか分からないのに、他の人のことを知ることはもっと難しいはずです。
私の長男は、今小学生ですが数学がすごく得意です。
何故か?・・・わかりません。
私は数学が大の苦手だったのですが、長男には、自分の経験からも楽しんで勉強できたらいいなという思いから小さい頃から数の数え方や計算の教え方は試行錯誤してきました。
例えば、車に乗っている時、いつも前の車のナンバープレートを使って足し算や引き算の問題を出してあげて暇つぶしをしていました。
これが長男は楽しかったみたいで、どんどん暗算のスピードがあっていって自分でも驚きました。
次男はダウン症です。
その時々で、次男に興味があることで、工夫してやりたいことを伸ばしてあげることが重要だと思っています。
怪獣に興味がある子なら、怪獣の本や、怪獣展などに行って、怪獣と関連してどんなことが楽しいのかなとか、
おもちゃ怪獣を使っての数の計算や、
怪獣とごはん食べる時に好きな食べ物を聞いたり、
一緒にお風呂にはいって怪獣の体をあらってあげたり、
一緒に寝たり、布団をかけてあげたり
日常生活の中から好きなことを見つけてあげることができるかもしません。
人生が小学生
ダウン症の子は、基本成長スピードが健常者の半分だと言われています。
次男は、歩き始めたのも3歳くらいですし、言葉がでるのも4歳過ぎてからです。
ほぼ健常者の倍以上かかっています。
体の成長もそうですが、知的水準は特に遅れていると思います。
そんな感じで成長するダウン症の子を育てているあなたは、その先の未来の大変さも私と同じように想像しているはずです。
だからこそ、知能を他の子よりも上げてあげて、人生でより有利に、周りの人々に迷惑をかけないよう細心の気遣い、
そして、重い気持ちを持っているはずです。
私は、次男に対して、彼の長い人生すべて使って、小学生レベルの知識を教えて行きたいと思っています。
全部は無理かもしれません。
漢字なんて結構多いですし、1026文字も覚えます。
社会や理科も覚える事があります。花の雌しべや雄しべまで理解出来るかどうかもかも分かりません。
でも、その程度なら一緒に子供と学んでみよう、自分の空いた時間を賭けてみようと思えます。
そう考えると気持ちが楽になって来ます。
人生をかけての小学校卒業です。
そうなれば、次男も自分で考える事ができたり、自分のやりたいことが出てくる可能性が高まります。
もしやりたいことが出てくれば、それがどんなことであっても見逃さずに、それを全力で応援してあげます。
環境を与えてあげたりすることで、その子は自ら人生の目標に向かって1人で進んで行きます。
有名なダウン症の書道家、金澤翔子さんは一人暮らしして、書道を中心に生活をしているそうです。
彼女もやりたいことを見つけて、僅かな知識や常識の中で人生を進んでいます。
知的水準も個人差が大きいのは確かです。
小学校の特別クラスに通っているダウン症の子もいれば、ろう学校や、児童発達支援施設、デイサービスに通っている子もいます。
でも、どんな立場であっても、少しつづお子さんの好きな事を見つけるまで、待つことが大切です。
視野を広げて遊ぶ
どんなことでも視野を広げて行ってください。
- 子供が見ているもの
- 興味を持っているもの
- 施設の先生からの生活のお話
- 今日の出来事
- 兄弟でケンカする時の言葉
- 食べるものの種類や量の変化
- 好きな服の種類
- 靴への興味
- 手の握力や寝る時の姿勢
- お布団の掛け方
少しの変化に気づいてあげることで、どんな事が起こるか未来を想像してみてください。
そうすれば自分も、考えていなかった遊びにアイデアが出てきます。
自分も小学生に戻って、大人らからは見えない盲点を探してみてください。