毎年の筋力アップが凄い
あなたは、ダウン症の子供がふにゃふにゃで、困った事が何度もありますよね。
抱っこすれば、足を思っきり伸ばしたり、手を上げて凄いスピードで顔を叩いてきたりして、スルッとどこかへ消える。
天気のいい朝は、
「お出かけしょうーね。魚さん丸池に見に行こうねー」
と言って、パジャマを脱がして、お気に入りの青い恐竜の絵が書いてる服にさっと着替えさせる。でも、せっかく洋服に入れた手を、またスルッと脱いでしまって、近くにある机にめがけて「いやっー!」と投げてしまうことは日常茶飯事。
机の上にある、緑色のプラスチックのお皿から、お菓子が勢いよく飛び散り、横にあった透明に近い陶器のコップから、牛乳がドバドバ溢れて机一面に広がります。
ダウン症の子は、筋肉が弱くて、筋肉トレーニングが欠かせない。小さいころから運動をたくさんさせないといけないとよく聞きます。
しかし、本当にそうなの?
私の次男はダウン症ですが、腕力はすごく強いです。
怒ったら叩いてきます。目にでも手がバチンとあたろうもんなら、頭がクラクラ。妻もよく半分演技しながらもシクシク泣いています。
物も投げます。
それもすごく遠くまで、妻より正確に投げます。
「ムシムシ虫!!ムシムシ!」
家の天井に、小さな蜘蛛を次男がみつけたとき、不安になったのか、衝動を抑えられず、目の前にあるトミカ、黄色いショベルカーを、私が止める間もなく、天井に向かって思いっきり投げたんです。
トミカはほぼ蜘蛛に激突し、それは突然のことで命からがら、ゆっくりふわふわ落ちて来ました。
私は、恐怖というより、すごい!と関心したし、蜘蛛に当たらなくて良かった。
キックもたくさん出来ます。
お兄ちゃんがサッカーを習っているので、家の中はいつもサッカーボール自体が走り回ります。
時々、ご飯に激突させて、妻にお兄ちゃんが怒られてる。
そんな様子を横でじっと見てて、隙があればボールを蹴ります。
その蹴ったボールスピードも、他の健常者のスピードと変わらないと思うのですよね。
たしかに、個性はあります。
個人差も間違いなくある。
成長とともに、なかなか歩けなかったり、走れなかったり、スプーンが握れなかったり、靴がはけなかったり、不安もたくさんあるし。
でも、次男からは力強さをいつも感じる。お友達もそう。
筋肉が弱いか強いかは、あなたの認識次第なんです。
スジの力から見る次男の筋肉力や質
ダウン症の子は筋肉が弱い、といつも言われています。テレビでも、雑誌でも、インターネットでも。
筋肉低下の原因は、筋肉質や筋肉量ではなく、筋緊張低下。
筋肉ではなく筋(スジ)です。あなたは、手や足などを負ける時、すでに曲がっていて、これから動く状態にむけて、軽く曲げて動作の準備をしていると思います。
ダウン症の子は、そのスジのちから(緊張、ぐっと縮こまる)がなく、伸び切っていることが原因になってます。
そのスジの伸び切りは、健常者との比較で約30%も可動域が広いそう。
スジの縮こまるためのひっぱりがないので、筋肉を使う必要がない。その状態が続くことで、筋肉は弱く、ダウン症の子は、その低筋緊張が、健常者より長期間持続することで、より筋肉が弱っていきます。
部分的ではなく全身的に。
発達の遅れの原因でもあると言われてます。
筋肉が根本的原因ではない可能性があるし、いつも、「筋肉が弱いねこの子は。」と親戚からも言われていました。
でも、自分にはすごく違和感があった。
だって、次男はすごく力が強い!
一緒に生活していたら分かる、実感と世間とのギャップが、自分の中でどんどん大きくなっていきました。
未来の見方を変えて常識から出る
筋肉は弱い?強い?弱い?全く逆の考えですね。
筋肉が弱いといつもイメージ化しているのは、なぜでしょうか。
それは、あなたの意識が心地よいからです。
そう思っていたほうが楽、それがダウン症の世間一般的イメージだし、ダウン症にはダウン症のルールがあって、それで世の中認識されてる。
そうしないといけない。
筋肉が強いと思うことは、常識からはずれたことで、
そんな風に他人に言ったら、人や子供に危害をくわえると思われるかもしれないと思っている。
そんなことを言ったら、周りのダウン症の親とかに悪いと思ってませんか?
その考えが、子供の活動を、運動とかやりたいことを制限させてしまっているってことです。
無意識の心地よい感情を自分で認識し、
子供が将来力強く走っている、
友達とボールで遊んでいる、
重いゴミ出し荷物をママのために持っていってくれてる。
そんな、あなたなりの理想の未来を強くイメージしてみてください。
子供の見え方が、だんだん変わってきます。