ダウン症の子育て 脳科学

脳科学を利用してダウン症子育てする

 

ダウン症の子の子育てに色々な知識を活用して、問題解決したいですよね。

脳には前頭葉という部位があります。頭の前の方にあり、目やおでこの裏の部分にある脳の部位です。この前頭葉は、思考や判断など、ものごとの認識を司っています。

新しいゴールや、ゴール達成方法は、自分が認識できていない、盲点になっている部分にあります。

努力しているのに、現実が変わっていかないとしたら、自分が認識できる範囲内しか見えていないからです。

これが見えるようになればいいのですが、そのためには前頭葉の認識レベルを上げるていくことが大切だと感じています。

 

前頭葉とは?

まず、前頭葉について少し解説していきます。

脳の中の司令塔のような役割をしています。考えたり、計画を立てたり、モチベーションを出したり、いろんな情報を統合するのが前頭葉の働きです。

人間は、この部位が非常に発達しています。脳科学辞典の前頭前野(前頭葉)のページを参考に。脳の中で占める割合が、「ネコで3.5%、イヌで7%、サルで11.5%、チンパンジーで17%であるのに対し、ヒトでは29%」となっています。

この前頭葉のおかげで、人間は他の動物よりも複雑な思考をしたり、遠い未来の計画まで立てることができるのです。

前頭葉が傷ついたり、切り取ったりするとやる気がなくなる、推理や計画ができない、集中力がなくなる、などの人格の変化が起こります。

昔行われていた「ロボトミー」という、前頭葉を切り取る手術をされた人は、人格が変わってしまい、この悪影響が問題になって、ロボトミーは行われなくなりました。

前頭葉は思考を扱う

このように、前頭葉は思考や、認識を扱っているのです。

自分が認識できる範囲を広げるためには、今よりも高いレベルの思考や認識をできるようになる必要があります。

認識のレベルというと、偉そうですが誰でもできることです。認識のレベルとは、情報空間での視点の高さのことを言います。情報空間というのは、目で見たり、手で触ったりできない、言葉や概念などの世界のことです。

情報空間で視点を高くするというのは、こういうことです。たとえば、ネズミは、情報的に視点を上げると、哺乳類です。もっと上げれば、四足動物です。こういう風に、レベルを上げていけばいいわけです。

もっと厳密に言うと、「情報量を減らす」ということです。「ネズミのチュー太」がいたとしましょう。チュー太は、ネズミの中の1匹ですね。ここから、情報量を減らしてみます。チュー太という名前をなくしてみましょう。すると、「ネズミ」になります。

また「ネズミ」は、哺乳類の中のネズミです。では、ネズミという情報を取ってしまいましょう。すると、「哺乳類」となります。

このように情報を減らしていくと、どんどん視点が上がっていくことがわかると思います。

 

前頭葉のレベルを上げる脳科学

前頭葉のレベルを上げるにはどうしたらいいでしょうか。

それには、日常的に情報の視点を高くすることが有効です。

私たちは、目の前の人やモノを、そのまま見てしまいがちですが、視点を上げて認識してみるのです。例えば、パソコンが目の前にあるとします。そうしたら、パソコンという情報を取ってしまって、「機械」というふうに見てみるのです。

ポストにあるチラシをまとめている時に、「紙」と認識するのではなく、視点を上げて「地域のもの」と考えてみます。また、もっと上げて「生活」としてみても良いでしょう。

こうしたことは、日常の場面でいくらでもできることです。

いつも当たり前のように認識していることを、ふと立ち止まって、視点を上げて再認識してみてください。

練習することで、視点を上げて考えることが楽にできるようになります。

そして、それによって新しい情報が手に入り、生産性も上がります。

そして、新しい認識ができることで、新しいゴールや目標が見つかったり、ゴールに必要な情報や手段が見えてくるようになるのです。前頭葉の認識レベルを上げることは、ダウン症の子育ての強力なツールになりますよ。

日常のいろいろな場面で、前頭葉のレベルを上げる練習をしてみてくださいね。

 

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初めまして。次男はダウン症(21t標準)です。ダウン症の子を育てるうえで私が本当に大切だと思ったこと、実践して日常生活に役にたったことを書いています。興味があれば他の記事も覗いていってくださいね。

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