子供の療育でも、目標を決めて、そうなるために今月はコレをしようとがんばります。
「目標から逆算して、具体的なプランを作ろう」と頭のいい人は考えます。
そして、目標達成の本などで、目標から逆算することの大切さを教えられたことはありませんか?
たしかに、逆算してプランを明確にすることで、目標は達成できるかもしれません。
しかし、コーチングでいう「ゴール設定」「ゴール達成」という視点から見ると、逆算はむしろマイナスに働いてしまいます。また、ゴールとは言えない、いわゆる「目標」と呼ばれるものの達成もできなくなる可能性があるのです。
なぜでしょうか?
それは、逆算すると現状維持になりやすいからです。
ゴールはそもそも現状から大きく離れていて逆算できないものです。
逆算してすぐに具体的なプランまで作れてしまうものは、「そもそもゴールではない」と言えます。
仮に逆算できたとしても、今までに知っていることの繰り返しになってしまい、それを実行しても同じところをぐるぐる回ることになるのです。
例として、「世界平和を実現する」というゴールを作ったときのことを考えてみましょう。まず、「世界平和までの具体的プラン」を逆算できるでしょうか?かなり難しいと思います。
もちろんできるのであればすぐにやってもいいのですが、たいてい人はたくさんの思考を必要とするはずです。
もしすぐに逆算できてしまうならゴールとは言えないので、ほかのゴールを考えてください。
普通の目標でも達成できない例も挙げましょう。たとえば5kgダイエットする、という目標を立てたとします。そして下のような具体的なプランを作ったとましょう。
「1日の摂取カロリーを1300kcal以下にし、毎日2Kmのジョギングをする」
これはがんばればできそうですが、現実にはダイエット本がいつまでも売れ続けている現状を見れば、ほとんどの人ができないと思います。
結局すぐに具体的プランを立てたところで、無意識はピクリとも動きません。
それは現状が全く動かないからなんですね。ダイエットで摂取カロリーを減らして消費カロリーを増やせば痩せるに決まってます。そんなことは誰でもわかるわけで、現状なんです。
「じゃ、逆算するんじゃないとしたら、一体何をすればいいの?」
はい、ではゴール設定をしたらすべきことは、
- 抽象度を上げて考える
- ゴールにプラスの感情を持つ
この2つです。
ゴールを設定した段階では、まだゴールの世界がしっかり見えていません。
そのため、まずは抽象度を上げて、ゴールの世界について徹底的に考える必要があります。
そうすることで、「ゴール達成のためには何をしたらいいのか?」が自然に具体的になっていきます。
この段階で、焦って行動を起こそうとする必要はありません。
考え続けていれば、「どこに穴があるのか」「どこにテコを入れればいいのか」が自然とわかります。そうすれば、具体的な方法はおのずと明らかになって、意識しなくても行動できるのです。
よくすぐに具体的な方法を思いついて行動してしまう人がいますが、すぐに思いつくことはすでに知っていることの可能性が高いので、その方法に対して自分自身で反論するなどして抽象度を上げましょう。
そして、ゴールにプラスの情動をくっつけることをたくさんしましょう。
具体的に言えば、アファメーションをしたり、「嬉しい」「気持ちいい」などの感情を感じながら ゴールのことを考えます。
そうすれば無意識が、「ゴールを達成すると気持ちいい!」ということを認識してくれるので、ゴールに必要な情報を自然にキャッチしてくれるようになります。