新しいことをする時に、悩んでいる人が多いです。しかし、悩む前に、やってみた方が早く成長することができます。
それはダウン症の子の育児でも同じなのですね。
やる前に悩んでもしょうがない
何か新しいことをするときに、悩んでいてもしょうがないのは、それを経験したことがないからです。経験したことがないので、いくら悩んでもその実態はわかりません。
ネットなどでいろいろ調べたり、人の話を聞いたりすることはできるのですが、それも他人の意見です。結局自分でやってみないことには、自分にとっていいのかは、わかりません。
また、限定合理性、という行動経済学の考え方があります。
これは、人は合理的であろうとするけど、どうしても限界がある、ということなのです。
そのため、何かを決めようとするとき、いくら完璧な情報を集めようとしても、不可能なのです。だから、いくら考えても、悩んでしまうし、決めることが難しくなります。
子育てでも、準備ができてからとか、知識を知ってから、という人もいますが、いくら勉強しても、準備をしても正しい答えが出るわけではありません。
しかも、本当の意味で準備や勉強をすることもできないのです。しっかりと、データを集めているわけではないのがほとんどです。実際には、悩んでいるだけだったり、一歩が踏み出せないだけだったりします。
準備してからいつかやろう、と思っていても、世の中がいつも同じ状態であることはありません。
例えば、行きたいと思っていた映画が終わってしまうこともあるし、お店が閉店になってしまうこともあります。いろいろなものを比べて、どれがいいか、最適なものを選ぼうと思っていても、それらがいつまでも手に入るものかはわかりません。
悩んでいる時間があれば、できてしまうことも多いです。ダウン症の子はそうはいかないと思う方もいるかもしれません。しかし、そう思っている時間こそ無駄になってしまうことが多いので、悩まないで、とりあえず少しでもやってみる方が、効率が良くなります。
やることで基準ができる
やる前に悩むのではなくて、やってから悩む、とした方が、成長が早くなります。実際にやってみると、よかった、とか、失敗した、と判断することができるのです。
もちろん、取り返しがつかないようなこともあるのですが、ほぼほぼ、悩みというのは、やってみた方が良いです。また、悩んでいた時間も取り返せないのですから、やはりやった方がいい、と考えることができます。
なぜなら失敗しても、別の方法を思いつく可能性が高まるからです。
たとえば、ジムに行ってみようか悩んでいる時、まずジムに行ってみればいろんなことがわかり、1つの基準を作ることができます。入る前にも、いろいろ調べて比べることはできるのですが、良さそうなところに入ってみたら、満足するところと不満なところなどが見つかるでしょう。
そうすると、他のジムの良いところと、悪いところも、はっきりわかるようになるのです。それで、そこがよかったら続ければいいし、他のジムの条件がよさそうなら、そちらにも行ってみればいいのです。
経験がないことは、判断基準ができていないので、その状態で悩んでも結論を出すことができません。やったことがある人なら、経験があるのでわかります。
ダウン症の大人の実態は私達でさえほとんど知りません。トライアントエラーが必要です。
もし、迷って決められないからと言って、また今度、と帰っていたら、植物を置くことはなかったかもしれません。
このように、一度やってみることで、判断基準ができて、頭の中の整理がつくようになります。そして、新しい情報が入ってくるのです。
やめとけばよかった、と思うこともあるかもしれませんが、そうしたら、他の選択肢の良さがより明確になったということです。
Inventしながら進む
失敗をしたくない、というのは自然な気持ちですが、成功にしろ失敗にしろ、フィードバックが得られるので、本当の失敗というのはないのです。
結果が出て、基準が生まれることで、初めてわかることです。
やってみようと言っても、怖い、という気持ちもあると思います。それは、確実に上手くいくやり方がわからないので、失敗するかもしれないからです。
この考えがあると、なかなか成長できません。というのも、やり方が全部わかるまで待っていても、わかることはないし、タイミングも逃してしまうからです。
Invent on the way という考え方があります。
これは、やり方はその都度発明すれば良い、ということです。先にやると決めてから考えることが重要だということです。
そうすると、脳はクリエイティブになって、なんとか目標を達成する方法を考え始めます。そして、自分が考えつかなかったような解決方法を、発明することができます。
決めること、やってみることで、判断基準が生まれ、悩んでいた時にはぐちゃぐちゃになっていた情報が、きちんと整理できるようになります。
決めないから、やり方が出てこない、という順番になっているということです。ここは自分を信じることが必要です。
どうしたら、自信を高められるのか、というと、そういう経験をしてみることが一番です。
先に決めてみることをしてみてください。
小さなことからでいいので、Invent on the way を試してみてください。そうしたら、自分にも子供にも、そういう能力があるんだ、と自信を持つことができますよ!