
自己防衛のためにものを投げる
「やめなさい!リモコン壊れるでしょ」
「なんでもの投げるの!?やめなさい!」
こんな会話をたくさんしていませんか?。
私の次男はダウン症ですが、小さいころは本当によくものを投げました。マンションのベランダから傘を思いっきり投げ出したこともありました。。。本当に下に人がいなくて助かりました。ヒヤヒヤです。
ダウン症の子どもは、本当に自己防衛感が強いなと私は思っています。たくさんの笑顔をくれます。
よくダウン症のこどもは天使だといわれています。たしかに、あの純粋な笑顔は、そんな気分にもさせてくれます。
しかし、自分の居場所を確保出来ない場合、その抵抗はそれと同じくらい強いとも感じています。
ものを投げること。それは、自己防衛するだけのためにものを投げるのでしょうか?
親からのイメージの刷り込みは強烈
ものをなげてはあぶないよ、こわれるからねと、必死に子どもに伝えようとします。
お兄ちゃんがけがをするからね。パパもママも悲しむよ。
実は、これらの言葉すべてが絶大な影響力をもっています。まるで催眠でもかけられているかのように強い力があるのです。
脳科学では、言葉がそのまま脳にイメージをつくります。
その言葉を繰り返すことでより強化して、現実はそうではないといけない、と思いこむことになるのですね。
脳には、注目している方に向かってしまう、という性質があります。
特に、子供は素直なので、「そっちは危ないよ」というと、それが気になって、危ない方に行ってしまうことがよくあります。
- ものをなげてはあぶないよ→ものを投げている、いきよいよく飛んでいっている様子
- 壊れるからね→ものがこわれてバラバラになっている様子
- お兄ちゃんけがするからね→お兄ちゃんにものがあたって血がでてないている様子
こういった表現は、子供の脳に具体的に刷り込まれ、そうなることが当然だという意識で行動するようになってしまうのです。
ということは、子どもにとっては、ものを投げさせられている状態のようなものです。
なので私は、子供に話しかける言葉を気をつけるようにしています。
ダウン症の子の気分を変えてあげる
子どもは気分次第です。しかも子どもが小さいほど、その気分は長く続きません。
子供の気分を少しでもコントロールしてあげましょう。もし子どもが怒ってものを投げそうになった場合は、以下の方法を試してみましょう。
- 子どもには触らず笑顔で踊りだす
- 子供が大好きなものを探す振りをする
- 子どもがなげようとするものをさわらず、からだ全身をうえから下までゆっくり撫でてあげる
気分を変えてあげることが重要です。こどもの意識を一瞬でも違うことに振り向かすことが大事です。
一度ではうまくいかないかもしれません。私もそうでした。
それを積み重ねていくと、あなたの周りには敵ではないよ、君が大好きだよと余裕がでてくることもあります。
そうすると子供のものを投げるという行為について、親のなかで承認できるようになってきますよ。
親の罪悪感に気づく
ものを投げては駄目だ、という言葉はどこからくるのでしょうか?
普段なにげなくつかっている駄目という言葉の多くは、自分にたいして大きな制限をかけてしまっています。
それは、「罪悪感」です。
この感情はひとによって大きく違うと思います。
ご飯を残した、
友達との約束の時間に間に合わなかった、
お金をたくさんもらった、
テレビをみすぎた、
子どもにきつくしかりすぎた、
買ってきた洋服があまり似合わなかった
昨日お風呂にいれてあげられず寝てしまった、
などたくさん出てくるのではないでしょうか。
これらは、自分の感情の壁としてある価値観の塊なのですね。
その価値観を自分で認識して、承認することで、はじめてこどもと向き合い解決策を自分の手でみつけることができます。
この価値観を気ついてもらったり、変えることが出来れば、ものを投げることが悪いという価値観を捨てることができます。
まとめ
今回は、ダウン症のこどものものをなげる思考から話してみました。
もちろんこの行動はダウン症だけのものではなく、子育てする全員が経験することでしょう。
それは、子供の精神世界が影響しているのですね。
ものを投げるのはこどもの自己防衛でもあり、親があたえる言葉を具現化しているものでもあるのですね。
私たちの罪悪感を認識できることで、子供とのコミュニケーションももっとよくできる可能性がありますよ!