カウンセリングを受けて、悩みが楽になったり、気にならなくなった人も多いと思います。逆に、上手く行かなくてカウンセラーに対して不信感を持つこともありますよね。
私もそんな経験あります!そういう場合は、カウンセリングとは別の手段を探してみるのがいいかもしれません。
たとえば、コーチングというものがあります。まだまだ一般的ではないかもしれませんが、カウンセリングとは別のアプローチのため、可能性があるのです。
コーチングを知っている人でも、コーチングとカウンセリングの違いは誤解されています。
そもそも、コーチングは悩みの解決に使えないと思っている人がほとんどです。
また、よく「カウンセリングはマイナスの人を0にする、コーチングは0の人をプラスにする」という説明がされるのですが、これは間違った考え方です。
そもそも客観的な基準はありませんし、こんな風にコーチングとカウンセリングは比べることはできません。
子供の障害のことで悩んでいる親御さんは、コーチングを取り入れてみるといいかもしれません。なぜなら、カウンセリングは過去を変えますが、コーチングは未来を変えるからです。
変えたいのはダウン症の子を持った過去ではなく、家族みんなが楽しく、楽に暮らしている未来ですよね。
今回は、コーチングとカウンセリングに対して持たれている誤解を詳しく解説していきますね。
目次
コーチングとは?
コーチングの語源は「馬車」という言葉です。
ハンガリーのコチという場所で使われていた馬車がコチと呼ばれるようになり、英語ではコーチに変わっていったのですね。
人をある目的地に連れていくという意味から、人の目標達成をサポートすることがコーチングと言われるようになったのですね。テニスや野球のコーチなら、大会に勝つという目標のために、アドバイスしたり教えたりすることですね。これもコーチングです。
世間ではスポーツコーチングが広く知られていますが、コーチングはスポーツに限りません。どんな目標であってもコーチングをすることができます。
人の人生全体をコーチングすることは、ライフコーチングと言われ、ビジネスの目標達成をサポートすることはビジネスコーチングと言われます。
また、コーチングには目標自体の設定をサポートすることも含まれています。
カウンセリングとは
次にカウンセリングの意味ですが、「個人的な問題や、心理学的な問題を解決するためのプロフェッショナルな援助や指導をすること」です。
例えば、学校カウンセラーなら生徒の学校生活の中での悩みや、人間関係、勉強に関する悩みなどを聞いて、それを解決に導いていきます。
コーチングとカウンセリングの違いと言われる時のカウンセリングは、日本語としては精神療法の意味に近いですね。
精神療法とは、「医学的ではなく心理学的な手法による精神疾患の治療」ということなので、似ていますよね。
コーチングとカウンセリングの違い
コーチングとカウンセリングでよく言われるのが、以下のようなことです。
- カウンセリングは、マイナス→0にする
- コーチングは、0→プラスにする
この時のマイナス状態とはどう考えられているでしょうか?2通りの事が言えるでしょう。
1、悩みや問題を抱えている状態
2、精神医学的に疾患と診断される状態
この状態は、カウンセリングとコーチングでどのように取扱が違うかみていきます。
悩みや問題の解決はコーチングでもある
まず悩みや問題を抱えていることは誰でもあります。
コーチングを受ける人にも当然ありますから、マイナスが悩みや問題を意味するとは考えられません。コーチングは、悩みや問題がない人が受けるものだと言ったらほとんど誰も受けないでしょう。
そして、コーチングで目標達成をしようとすれば必ず何らかの問題に当たります。
スポーツで優勝を目指している人が本番で緊張してしまうという問題があった場合、コーチングではそれを解決するための援助をするのです。
問題をマイナスだと捉えるなら、プラスにするというコーチングは成り立ちません。
精神疾患はマイナスなのか?
となると、マイナスとは精神疾患のことであると言えます。つまりここでのカウンセリングは精神療法を意味するのです。
では精神疾患の人はマイナスでしょうか?そもそも0とかマイナスが何を基準にしているのか不明です。おそらくイメージ的にマイナスっぽいからそう言われているだけでしょう。
そして、精神疾患はどのように定義されるでしょうか?
精神疾患は簡単に言えば「この項目に何個当てはまったらこの病気」というふうに決めらます。ここにはマイナスとか0は出てこないのですね。
また点数をつけるもので、有名な「ベックうつ病調査表」では、チェック項目ごとの点数を合計して、0~40点までをつけます。17点~は治療が必要とされています。
ここにもマイナスは出てきません。
精神疾患とコーチング
先程の「ベックうつ病調査表」の0~40を−20~+20とすることもできます。しかしある病気の指標の点数をプラスにするのがコーチングの定義ではないのですね。
精神科の診断基準と同一線上にコーチングを置くことは間違っていると思います。
医学では正常の範囲は決まっていますが、それは0とかプラスという意味ではありません。病気は診てもプラスの診断なるものはないのです。
また精神疾患は個別に定義されているので、全体的にマイナスですという話でもありません。
もし、マイナス・プラスと決めるのであれば、コーチングで独自の指標を作ってマイナス・プラスを決め、0以上の人だけ受けてくださいと言うしかできなくなります。
コーチングは誰が使えばいいのか?
「マイナス、プラス」というのがオカシイこと確認した上で、いわゆる「マイナス」状況にコーチングが使えないのか考えてみましょう。
コーチング業界では「マイナス」の人にはコーチングは使えないか、効果が減ると言われています。また、コーチングは「プラス」の人に使うものだとも言われているのです。
もちろん、必ずしもコーチングだけでなんでも万能に解決できるわけではありません。しかし、たとえ精神医学的な問題がある人であっても、目標に向かっていくことはできるし、それをコーチングでサポートすることは出来ます。
なので、私はダウン症の子を持つ親にも十分にコーチングを使うことで、親の不安の解消や、子供の自立に向けてどうすればいいのか話すことができるのですね。