今回は、ダウン症の親子にとって、幸せを定義しないと前進出来ないというお話をします。
ダウン症の子が将来どうなったら幸せなのか考えたことありますか?たとえば、
「どうしたらトラブルなく生きていけるのか?」
「どこにこの子の生きる場所があるのか?」
このように、多くの人は「あるよ」と答えるかもしれません。しかし、なんとなくとか漠然と考えていませんか?
また問いだけではいけません。答えを出しておかないとただ悩んでいるだけになってしまいます。
なぜなら、明確にこうなる!と決めておかないと、幸せの存在自体に気づけないからです。見過ごしてしまったり、気づかないうちに別の人に取られてしまうこともあります。
幸せを定義していない親子は、何が幸せか将来、子供が成長してからでないと考えられないと思っています。
しかし、「親子、家族の人生がこうなったらいい」と始めに決めておくことが大切です。家族のことなので、子供の幸せだけでなく、親の幸せをあわせて考えておいた方がいいのです。
コーチングでは目標設定というものをしますが、目標というものがないと、他人の情報や意見に振り回されます。また自分の軸がなくブレブレなので、ネガティブなことがあると、すぐにストレスが溜まってしまうのですね。
ダウン症の親は、いつも切実に悩んでいます。私もそうでした。でも、幸せを定義することで、どうすれば「そこ」にたどり着けるのか、定義する前よりも真剣に、リアリティーを持って考えて行動出来るようになりました。
ではどのように幸せを定義すれば良いでしょうか?
幸せを決めなければ認識できない
今前の前にコップがあるとします。取っ手がついていて、白くて周りには黄色をベースにディズニーの絵が書いてあるマグカップです。
みなさんは、これがコップだと意識しなくても分かるでしょう。コップというものが部屋の空間のなかに存在しているということが。
なぜならコップのような半円形の形をして、取っ手がついてて飲み物を入れたら飲むのに適していると知っているからコップだと認識するわけです。人生で何万回もコップを使ったり、人が飲んでいるのを見たり、意識しているからコップだと分かるわけです。
もし、コップが鳥や動物の形をしていたらコップだと認識出来るか分かりません。分からなければただのモノであり、あなたにとって価値がありません。
では、子供の幸せとは?あなたの本当の幸せとは?家族の・・と聞かれると、なんとなくイメージはつくかもしれません。みんな笑顔で、お金の心配もなく、普通に働いていて、普通の生活が30年後も継続出来ている。と考える人もいるでしょう。
しかし、そのイメージには自信がないのではないでしょうか?なんとなく妄想している感じです。
もしそうなら、それは実現しませんし、そのようになったとしてもそれが幸せだと気づくことは出来ません。
よく、刑事ドラマの最後で犯人が、「大切なものを失ってしまった、、」というセリフのように大切なものに気づかず後悔する場面がよくあります。このように何が幸せなのか気づいていないと、見過ごしてしまうのですね。
ダウン症の子の幸せはこうで、私の理想はこれだ!とくっきり描いて、その場面や質感、匂いや気温まで想像してみましょう。
コップがコップだと分かるのは、その硬さや重さ、口当たりなどを知っているから認識出来ます。親子の幸せも、こういうものだと五感で分かるくらい知っておかないと、そこにはたどり着けません。
そして、「すでにある幸せに気づけない」だけは避けたいところです。
親子の理想を具体化しよう
幸せも決めておかなければ認識出来ないとお伝えしました。
認識できないとは、意識できないということです。水を飲むためにコップがほしいと思えば、台所へとりにいったり、なければお店に買いに行くとかすると思います。
幸せが、もし意識できているなら、
- どこらへんにあるのか?
- いつ存在できるのか?
- いくらするのか?
- 誰が持っているのか?
この辺りを真っ先に考え始めるでしょう。
もし幸せについて適当に、どうにかなるだろう、今目の前のことをとりあえず対処、なんて考えていたらすべて後回しになっています。
一番大切な、親子の理想像は後回しで、人生の最後の方で真剣に考えても、映画「死ぬまでにしたい10のこと」(2003年アメリカ)レベルで手遅れです。
家族の理想にリアリティーを持つことで、どうなりたいかという親の自分軸が出来ます。そこからブレなければよいのです。
それが、周りからどう言われようと、偏見の目でみられようとも関係ないと思える自己評価と子供の価値を作るのですね。
そう考えると、逆にそんな自分勝手な考えだと、
- 親本人が周りへの配慮の自覚が薄い
- 理解者が減って攻撃される
- 周りに迷惑をかける
と思う人もいるかもしれません。しかし、自分軸を持っていない人が一番困るのです。周りに同調しすぎると、一方ではこう、他方ではこうと整合性がなくなります。親一人であれば八方美人、ごますりで切り抜けれるかもしれません。しかし、ダウン症の子がいれば誤魔化しは通用しないので、正面から歩くしかないのです。
この時に、理想の未来に基づいた自分軸がないと、心が不安定になり、人間関係が苦しくなります。
なのでまずは、理想の幸せをしっかりと決めて生きてほしいと思うのです。
やり方は簡単です。
まずは1枚の紙を用意して、真ん中で線を引いてください。右に子供の幸せ、左に自分の幸せと項目を書いて、本当にこうなったらいい事ややりたいことを書き出してみましょう。
幸せの定義を意識して生きると、目標がいくらか出来て楽しくなるので頑張っていきましょうね!
まとめ
今回は、幸せを定義しないとダウン症の親子は前進出来ないというお話をしました。
コップを例にしてお話しましたが、それがコップだと認識しているから、コップを持ってきたり、利用できるのです。もし、コップと認識出来ないような形であれば利用されることもないので価値がありません。
このように、幸せも「これが幸せなんだ」と認識していないと、通り過ぎたり、頑張って手に入れようとすることが出来ないです。
そのための、子供の幸せ、親の幸せを決めておきましょう。紙に書き出して置くだけでも効果があります。
自分軸を持って人生の目標がある人が増えれば、親の人生も大きな変化が起きると思ってコーチングをしています。ぜひこのことを意識して楽しい人生を手に入れてくださいね!