
今の自分は、一体何から出来ている?
今回は、今の自分を保ったままでは困難を乗り越えられないというお話をします。
子供のことで将来に不安がある親は、国や行政・地域の支援がありそうだから大丈夫そうと考えています。情報を調べて、みんなもそうしているから安心だし、うまくいくと思っているわけです。しかしそんなふうに、今の自分を変えずに周りが変わってくれる、子供が変わってくれると思っていても状況はよくなりません。
もっというと、時間が解決してくれると考えています。これも自分はそのままで良くて、周りが勝手に成長したり、問題の解決方法を持ってきてくれると勘違いしているわけです。
このように、今の自分の保ったままでは、人生に小さな変化も起こすことはできません。
本当の原因は、あなたの外側ではなく、内側にあるからです。そして、抱えている問題が大きければ大きいほど、自分を別人のように変えていくことが残りの人生を豊かにする正しいやり方なのです。
あなたは過去に生きている
私達は、過去に生きています。過去にあった経験を活かしながら今日を生きています。誰でも嫌なことは避けるようになるし、そうならないよう工夫しようとするでしょう。ということは、今日という日は、過去の情報をもとに出来ているのです。
そこで、今日をもっと良い日にしようと、何か新しいチャレンジをしようとしても、過去の体験が邪魔をしてしまい、上手くいかないわけです。どこかでブレーキがかかるのです。
このように過去の体験は自分を保つように出来ています。
これは、過去の記憶に関係があります。印象的な体験をした場合、強く記憶に残ります。これは情動記憶と呼ばれていて、この記憶のルールに則って生きるようになっています。体験は人によって全然違うので生きていくルールも人によって全然違うことになります。
周りの人は自分と似ていると思っていても、全くの別人だということです。そういう意味でダウン症の子がいる親は、まったく異次元の体験をしているわけですから、健常者の親とは似ても似つかないルールを持っていることになります。
ダウン症の子が産まれて、本当に私が障害がある子を育てられるのかという強いショックがあった場合、この子をきちんと育てていかなければいけないという価値観がうまれルール化します。
するときちんと育てるための情報ばかりが自然と入ってくるようになるのです。逆にいうと、このような体験から、◯◯しないといけないという価値観にがんじがらめになっている状態になっているということです。
このような人は、子供も環境も変化していくのに、身動きが取れない状態が続くので、外の世界と自分の内側とで大きなギャップが出来きてしまいます。
なので、自分が少しづつでも成長しなければ、現実は変わっていかないと知っておくことが大切です。
では、どうしたら過去から抜け出せるのでしょうか。
時間とともに変化してきた
変化しない親は、同じ生活はずっと続くと思っています。だからこそ、変わらなくちゃとか、しっかりしなくてはといった言葉が出てくるのですが、現実は変わらなくて悩んでいるわけです。
しかし、誰もが大人になるまで物凄く変化してきました。もしあなたがまだ中学生と同じような考え方をしていたら変だと思うでしょう。成長していないと分かるはずです。でも大人になったらなぜか成長が止まってしまう人がいます。
幼稚園、小学校、中学校、高校や大学と環境が変わるたび、人間関係が変わるたびにあなたは変化してきたし、周りに適用出来るように進化してきたのです。
たしかに、無理やり環境がかわったのでそれを受け入れて変わるしかありませんでした。だから思春期や社会人生活の節目では悩みが多くなるし、新しい価値観を取り入れてなければなりませんでした。
これと同じようにダウン症の親も、ダウン症という大きな変化に対応するしかありません。環境が激変したので、自分の価値観も高校大学生から社会人と変えてきたように変える必要があります。
しかし、変化しない親は今度は周りがどうにかしてくれると考えます。もう社会人だしこれ以上は変化する必要はないと思うのです。
時間は流れているので、変化し続けていくのが正解です。時間がまってくれないので、変化しない親だけが取り残されて、
「将来が不安だ」
「お金の心配がつきない」
「子供の成長がきになる」
と言うことになるわけです。不安で心配で、他人のことが気になるのは自分が成長していないからです。
中学生からみたら社会人は怖いものだったり、未知なものみ見えるでしょう。それと同じことが起きていてるのに気づいていません。
焦点を変える
ではどうすれば、今の状態を変えて成長していけるのでしょう。
先程お話したように、ひとは過去の体験から出来ています。そして、やりたくても出来ないことは行動や思考にブロックがかかっています。
過去の経験からネガティブなことの焦点があたると、そのことばかりに注目して、避けようと必死になります。
たとえば、うつ病と診断された人は、ネガティブなことに集中しすぎていて四六時中そのことばかりになります。すると脳がオーバーヒートして頭が暴走してコントロールがきかなくなります。抗うつ剤で良くなるといいますが、根本的な原因(人間関係、お金の問題)を解決していないので、薬に依存して余計に悪化するのです。
このように、ネガティブなことに焦点を当て続けていると、自分を保ったままになります。これでは、過去ばかりをみていて変化を起こすのが難しいのです。
うつ病と診断された人も、過去を見ていては症状がよくなりません。なぜそうなったのか、どうすれば良かったのか、どんな未来が自分にとって理想なのかを考えなければ改善しないのです。
これは、過去とは違う視点でものごとを考えることです。
大きな環境の変化が起きたのであれば、新しい考え方を受け入れることです。学生時代には強制的に受け入れてきましたが、今度は誰もサポートしてくれません。
自分で別の価値観を受け入れることが出来た親だけが、ダウン症の困難を乗り越えられるようになるのです。
まとめ
今回は、今の自分を保ったままではダウン症の困難を乗り越えられないというお話をしました。
変化しない親は、自分ではなく他人が助けてくれると思っています。だから悩みを周りに言っていれば、なにか人生が変わると思っています。しかし、変わらないといけないのは自分のみです。
ひとは誰でも過去の経験から逃れることはできません。なので、過去のネガティブなパターンを避けようとします。これは人間の本能なので、知っておかないと気づくことはできません。
そして、あなたはこれまで幼稚園から社会人になるまで強制的に親や環境が価値観を変化させて上手くやってきました。しかし、ダウン症という大きな変化には、あなたの親や環境はそれほど変化を起こさせてくれません。
逆に、今のご時世、大変だね、頑張ってねと保護されるような風潮です。なので自分で気づいて、変化を起こさねばなりません。
そのためには、これまでと同じように別の価値観を取り入れて、思考や行動を変えていくことが大切です。
そうすれば、不安や不満を横に置いて、自分の時間やお金を手に入れるような豊かな生活への変化につなげることができるのです。
自分が現状維持していないか、いつもチェックして大きな変化のきっかけをまず見つけてくださいね!