ダウン症の子育て

ダウン症の子を残して安心して死ぬにはどうするか

 

ダウン症の子がいる親は、親の死後のことが気になるでしょう。子供がきちんと生活できていけるのか、兄弟がいたらどうなるのかと思う方が多いと思います。

私の次男もダウン症ですが、いつもどうやったら安心して死ねるのか試行錯誤しています。新しいことを思いつくとワクワクするのです。今は、世の中が感染症問題で行動が自由に出来ないこともありますが、落ち着いたらやりたいことがたくさんあります。

ダウン症の親は、健常者の親とは違う人生を進んでいます。なので考え方を180度変えるくらいがちょうどいいのです。

今、将来のことで不安な親は、これまで通りの考え方で人生を進もうとしています。しかし、親の死後のことでいつも不安になっているのであれば、考え方が正しくないということです。

ダウン症の特徴を家族は、他の障害を持つ家族とは条件が違うので、いろんな面でアドバンテージもあると思っています。そのメリットを活かして安心して死ねる未来をつくりませんか?

 

長期的な目標が現状を変える

まず、将来が不安なのは当たり前です。ダウン症の子が30年後、50年後どうなるかはわかりません。

その頃には、もっと福祉が整備されていて、手厚いサポートがあるかもしれません。逆に、世界情勢が悪化して、金融が不安定になり、日本人の所得が下がると行政サービスは確実に低下しているでしょう。福祉が大事と言われていますが、歴史を見れば弱者への風当たりは強くなるのは間違いありません。

このように、良いことも悪いこともいくらでも考えられるし、悩むほどより具体的に、鮮明に想像しようとするでしょう。すると、ますますネガティブなイメージが強化されて恐怖に変わるのです。

このように考える人は、子供中心の思考になっています。この考え方だと、子供を変えないと幸せになれないと思っています。しかし、ダウン症の子がどのように成長するかはわかりません。なので不安のループにハマっているのです。

そうではなく、自分中心の人生に変えましょう。あなたが納得して死んでください。あなたがやりきったと思えば、子供のそれを受け入れてくれるでしょう。家族、兄弟も同じだと思います。

そのためには、長期的な目標を持つことです。

長期的な目標を持つということは、中期的な目標があります。そして、もっというと今日生きる目標があるのです。

しかし、多くの親はこの長期的目標を持っていません。するとどうなるかというと、その日暮らしになります。今日一日を一生懸命生きて何が悪いのと思うでしょう。または、家事育児が大変で来月の予定なんてやりくりするのは無理だし、幼稚園や小学校の用意を毎日毎日するのどれだけ大変なのか分かってる?と言われるかもしれません。

このように目標がないと、目の前のことで精一杯で、忙しい理由がいくらでも出てきます。これは心理学的にいうとクリエイティブアボイダンスと言います。日本語でいうと創造的回避ですが、簡単にいうと言い訳上手になります。

目標があるひとは、その目標が基準となって生きています。

しかし、実は長期的な目標がない人にも基準があります。それは何かというと、「誰かが決めた基準」「子孫を残すために、遺伝子が決めた基準」です。つまり、「現状維持」とも言えます。

ひとの脳は、生命の危険を回避するために、新しいことを回避します。これが現状維持する理由だし、創造的にいつもと同じことをやり続けるように出来ているのです。

しかし、この人間の仕組みは良いことばかりではありません。安心して死にたいと思っているのに、今の現状を維持していては不安なまま未来を迎えることになります。これは、ダウン症の子がいない世界の法則であり、ダウン症の子をもつ親にとっては、逆に考えなければいけません。

目標を意識せず、なんとなくこうなったらいいなと考えていたら、それは未来に向かっているのではなく、現状維持を引き寄せているのと同じことだからです。

創造的に未来を作ることでしか、将来の不安を消すことは出来ません。そのためにあなたのやりたいことを作ってください。もちろん自分のことでもいいし、子供と一緒に何かをすることでもいいでしょう。

 

理想の目標の作り方

目標がすぐに思いつかないひとは、私がコーチングで教えている理想の目標の作り方についてお伝えしますね。安心して死ねるための重要なルールです。

【目標設定のルール】

  1. やりたいことであること
  2. 現状の外側であること

この2点です。

1つ目のやりたいこととは、あなたが好きなことです。長期的な目標なので、将来家族が何処に住んでいて、どんなことをしていたら楽しいの考えてみましょう。人付き合いが得意なひとは、なにかダウン症とかけて、グループを作るのも楽しいかもしれません。私は、教えることも好きなのでコーチングビジネスをしていますし、子供とは地域を超えて活動していけたらいいなと計画しています。

これは、好きなことでないと長期的に続けられないので、ぜひ考えてみてください。

そして2つ目は、現状の外側であると書きましたが、どういうことかと言うと自分が想像も出来ないくらい大きなことだと考えてください。やりたいことを大きくして、実現できそうにないこと位にすることが大切です。たとえば、なにか仮にNPOを作って周りのひとの役に立ちたい、やってみたいと思ったらその思いを広げて、1000人規模にしたり、海外でも活躍できるようにするなどです。

そんな非現実的なことよりも、目の前のことが大切なのでは?と思うかもしれません。ただ、そう考えているから現実が不安なままなのです。想像を超えた大きなものは、確かに実現するかどうはわかりませんが、その過程で自分のスコトーマを外す役割があります。

スコトーマとは心理的な盲点という意味で、自分には気づけていなことがたくさんあるのです。長期的に大きな目標にすることで自分の価値観を見直すことができたり、知らない人に出会えたり、大きなお金を扱えるようになるかもしれません。

目の前のその日暮らしでは絶対にことような変化は起きません。なので、自分のやりたいことで大きな目標を立てましょう。それが人生の充実感に繋がります。どのみちダウン症の子と暮らしていけば、重ねることにトラブルがあるはずです。何もないなんてありえないでしょう。そのような時に、自分の好きな活動を通して問題を解決できるかもしれません。

 

まとめ

どうしたらダウン症の子を残して安心して死ねるのか、その根本となる考え方をお伝えしました。

何も目標を持っていない親は、現状維持を続けています。一見毎日頑張っているように思えても、それは未来の安心して死ねるには繋がっていきません。

長期的な目標を持っている親こそが、今日一日、来週、来月と楽しく充実した人生を送る事ができるのです。その延長線上に安心して死ねる理想の未来があるのです。

目標や理想の未来は、一度決めただけでなく、新しく更新していってもいいのです。ぜひ一緒に目標を作っていきましょう。

 

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初めまして。次男はダウン症(21t標準)です。ダウン症の子を育てるうえで私が本当に大切だと思ったこと、実践して日常生活に役にたったことを書いています。興味があれば他の記事も覗いていってくださいね。

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