今回は、自分の知らないことにこそ目を向るという事をお伝えします。
ダウン症の子をもつ親は、子供のことは受け入れられるようになるし、世の中に出回る情報を見て、子供がなんとかこの日本で生活して行けそうかもと感じるでしょう。
すると、次はどのように豊かに生きて行こうかと考え始めると思います。
その時に、自分の知っていることや身近な情報ばかりに気を取られているとうまくいきません。自分が詳しいことやすぐ目に入ってくる情報ではなく、自分の知らないことに目を向けることです。
自分の知らないことをを知るために、積極的に人にあったり、勉強している人がどれだけいるでしょうか?もし、子供とやりたいことがかなり実現しているなら、知らないことを吸収して成長している人です。
そういう人は、子供のことも、自分のこともやりたいことをすぐに見つけたり、実現する行動に移す事ができています。なので、自分がまったく関わったことのないもの、興味がなかったもの、嫌悪を抱いていたものにフォーカスすることが、人生を劇的に変えるきっかけになります。
知っていることしか意識できない
ダウン症の子育ての知識はたくさんお持ちの方も多いでしょう。本屋やインターネット、地区の支援イベントなどで情報を入手することはある程度できます。
それらは、ある程度もともと知っている周辺の知識であり、断片的にでも知っているから調べたり出来るわけです。そのため、その情報を手に入れることはそれほど難しくないでしょう。少し電話して、足を運べば大体てにはいります。
また、自分では理解できないような難しいことも避けるため、理解出来る範囲のものが頭に入ってきます。
ということは、聞いたこともないような情報は、まずキーワードも全く知らないので探しようがありませんし、ぱっと見て難しそうに見えるものは無視するでしょう。
例えば、ダウン症のモザイク型と聞けばほとんどの人が知っていて、他の型との違いを説明出来る方も多いかもしれません。一方、非ジストロフィー性ミオトニー症候群と聞いても知らない方も多いと思います。ダウン症と同じような遺伝的疾患なのですが、ダウン症の子でも併発もあると言われています。
つまり、自分に関係なさそうなもの、難しそうに思うものには関心を持てないし、それが理想の未来に繋がっているなどとは思うことも出来ないのです。
しかし、人生をこれまでの延長線上ではなく、新しいチャレンジと考えられたらどうですか?ダウン症の子のことを受けれても、これまでと同じような人生では息苦しくなりませんか。
障害がある子を背負って、さらに人生を豊かにするには、考え方を変える必要があります。これまでの、サラリーマンやOLのような考え方では他人と比較したり、罪悪感を手放して自由に考えることはできません。
自分らしい人生を生きている人は、嫌なことでも興味無いことでも自分のなかに積極的に取り入れていくのですね。
知らないことを知る方法
それでは、上手に知らないことを自分のものにするために、以下の方法をお勧めします。
面白そうだと思ったことを日記に付ける
知らないことを知るには、まず何かやりたいと思うことが大切です。そして、実際にやってみるには、自分に出来そうだという実感がなければ行動することは、なかなか出来ないですよね。
この出来そうな感覚は、自己効力感を上げることで身につきます。自己効力感とは、目標や目的に対して達成出来るという自己評価のことです。
仕事でも新しいことに取り組めないとか、周りの意見が怖いと思っているひとは、自己評価が下がっているので手がでないのです。これを改善するには、日々の生活で面白そうと思ったことを日記につけることです。
子供とダンスが面白そう、歌や習いごと、海外旅行など楽しんで日記にしてください。なぜ日記なのかというと、ひとは楽しそう、チャレンジしてみたいとその瞬間思ったとしても、すぐに忘れてしまうからです。これは、脳科学ではホメオタシスと呼ばれています。
この誰にでもあるホメオタシス(homeostasis)は、外部の環境が変わっても、あなたの状態を一定に保とうとする機能のことで、「同一の状態」を意味するギリシア語が語源であり、生理学者W・B・キャノン(1871~1945)によって提唱されました。
つまり、自分にとって新しいことは、ただ頭のなかで思っただけでは、すぐ忘れさせるように脳が出来ているのです。
忘れたことの感情は、なかなか思い出さないので、きちんと日記にしておいて、また見れるようにしておくことです。そして、また日記を見た時に面白そうという感覚を繰り替えすことで、行動の一歩に繋がっていきます。
その時に、自己効力感は自然と高まっていくので安心してください。
一週間にひとつ知らないことを調べてみる
日記をつけるのはなんだかイメージトレーニグ的な要素があるので、苦手な人もいるかもしれません。
そのような人は、気になったことがあれば、具体的にインターネットや本などで調べる行動を取ることをオススメします。知らないことをほって置かないで、謙虚な姿勢で時間をとって調べてみましょう。
この謙虚な姿勢という考え方は、新しいことを始めるときに大切な考え方です。謙虚な姿勢とは、学ぶ姿勢ということです。自分を貶め(おとしめ)たり、人に頭をペコペコさげて下に見ることではありません。
謙虚の反対語は、不遜で、思い上がった態度ということです。思い上がった人は自分が優位だと思い、何も学ぶことはしません。そのため環境が変わったり、人間関係が変わって後ろ盾がなくなると何も出来ない人が続出します。
謙虚であれば、学ぶことも素直に受け入れられます。ダウン症の子をもつ親にとっては、常に環境が変わっていて、新しい事態ばかりになります。そのときに不遜や傲慢的な思考では行きづらくなるのは間違いありません。
また、謙虚に考えることで、心理的盲点を外すことができます。心理的盲点とは、自分が日常生活で重要だと思っていること以外は見えなくなることです。
なので、思い込みを外す意味でも謙虚に考えることは大切で、そのために、何か気づいたことや気になったことは、放っておかないで調べていくことが大切です。その積み重ねのなかで、見えてくるものがあるのです。
自分の知らない世界は楽しいもの
私達は、知っていることがこの世界のすべてのように感じています。それ意外のことは自分の人生に関係ないと思っています。しかし、それは大間違いです。自分の知らない世界にこそ、人生を豊かにするチャンスが潜んでいます。
新しいことを知るために、工夫することは大切です。自分で出来るいくつかの方法をお伝えしましたが、他にも自分と違った考え方を持っている人に会うことも良いきっかけになります。
あのKDDIを創業し、JALを再建したりとビジネスで有名な稲盛和夫氏は、「運命的な出会いが人をつくる」と良く言われています。
ダウン症の親は、あなたの人生を豊かにするために、自分の知らないことにこそ目を向ける姿勢が大事になってきます。