
子供と入れ替わる方法があります。
特徴がある子を持つ親は、自分の子はかわいいけど、障害があることがつらい、憎いと思ったことがあるかもしれません。
そのような時は、この後お伝えしていく、ポジションチェンジの方法を使って気持ちを落ち着けましょう。
ポジションチェンジと聞くとなんだか、幽体離脱みたいで怪しいイメージを持つかもしれませんが、一度身につけると人生にすごく役立つコーチングスキルです。
ポジションチェンジとは?
英語で習ったことを思い出してください。3つのポジションです。自分、あなた、彼が彼女というとき、第一人称から第三人称ってありましたよね。
第一のポジションは、いつもあなたが思考している場所で、ここは自分の欲求や、好きなこと、いやなこと、楽しいことを考えている世界です。
次に、第二のポジションですが、これは英語でいう「you=あなた」の立場で、子供だったり、親だったり、悩みの原因となっている人にもなるでしょう。
最後に、第三のポジションは、第三者の立場の人で、自分の悩みとは関係ない人のことです。障害がある子で悩んでるなら、家族や親族とかでなく、友人や知り合いなどがあてはまります。
ポジションチェンジは一人で出来るものです。第二、第三のポジションの人になりきって、意識を自分以外に向けることで、自分にない他人の考え方や気持ちを手に入れる事が出来る特殊な方法です。
この方法は、1970年代のアメリカで盛んだった、フリッツパールズが考案したゲシュタルト療法のひとつです。
この時代のアメリカでは物欲時代から、精神的な時代への転換期でもありました。
そこで様々な心理学が発展していきました。とくにこのポジションチェンジは効果が高かったと当時から話題になっています。
ポジションチェンジの効果とは?
第一ポジション、つまりあなた自身で居る限り、視野を広くしたり、他人のことを受け入れたり、子供の目線になって考えることが非常に難しいのです。
それは、これまでの人生経験が自分の枠を作っているからです。なので、自分にとって非常識な考えはなかなか受け入れられません。
いつも自分の常識のなかにどっぷり使ってあれがいい、これが悪いと決めつけているものですが、そんなときは、第二のポジションになりきってみることです。
もし仮に、子供になりきれたら、あなたをみてどう思うでしょう。
また、さらに第三のポジションにはいって、友人になりきってみましょう。きっと自分とは違う考え方や、発言が飛び出してきます。
ポイントは、その人をイメージして、その人の性格になりきることです。自分の常識の枠から、執着や思考のくせを少しでも外したいわけです。
ポジションチェンジを続けるとどうなってしまうのか?
子供のことで感情に囚われると、自分の気持ちでいっぱいになって、周りが見えなくなる人もいます。
そんな時こそ、ポジションチェンジを利用してください。子供になりきれたら、次は第三者になります。幽体離脱という表現でも間違ってはいません。
親と子供を上から俯瞰するような感覚です。
そして、二人の間にある感情のもつれを感じてください。親はきちんと子供が考えるような低レベルまで目線を落とせているかどうか。
俯瞰していると見えてくるのです。親が子供を思い通りにしようとしていないか。そうすればするほど子供の心は離れていきます。
さらに、その先があります。
第四の視点です。第三者の人からさらに一歩離れた立場の人に入る方法です。
さらに身体的にも、心理的にも距離が離れたので、もっと大きな視点でその問題を見ることができます。神の視点とも言われています。
人間関係や、お金や、時間の使い方、行く道、使うもの、食べるもの、感じ方、信仰、仕事の内容、身体的特徴、あらゆるものが違うと価値観も真逆になります。そのような状態ではどのようなことを感じ取れますか?
このポジションチェンジを上手く使うと、自分が自分でないような不思議な変化が起きるようになります。
障害は憎いと思っていたけど、色々な可能性があるときづけた、子供なりに成長していると分かると自分も気分が良くなります。
自己中心的で、他人よりも自分の考えを優先する人には、まだ一人でポジションチェンジするのは難しいため、お勧めできませんが、
早く子供は可愛いと心から思えたい、障害は子供の特徴であると信用できるようになりたいと思っている人には効果がでると思います。
もし、ポジションチェンジを試してみて、上手く変化が起きなかったとしても、大丈夫です。
上手くいかなくても、子供の障害が憎いと思いつづけたり、自分を成長させられないわけではありません。
まさに新しい価値観を受け入れようとしているところなのです。
大切なことは、子供の気持ちに寄り添うことです。そして、障害があると完全な悪だという意識をやめることです。戦争や麻薬などのように完全に悪だと勘違いしているかもしれません。
もともと人間などみんなグレーな存在なのではないでしょうか。
まとめ
今回は、障害が憎くて感情のコントロールが難しい場合の対処法についてお伝えしました。
本人と子供、そして第三者へポジションを移動させて、その人になりきることで本人の気付かなかった点がみえるようになります。
どうしても人は、自己中心的になりがちですが、脳は安全を求めるためしかたのないことです。まず、自分は大切にしてください。自分を十分に大切にできれば、余ったエネルギーで周りの人も冷静にみれるようになります。
そうして第四の視点まで可能性を広げていくと、悩みはすこし小さくなり、なんとかなる未来が少し見えてきます。