ダウン症の子育て

親の心からダウン症を間引きして幸せを掴む

 

間引きさえも受け入れて、あなたの心を統合する

間引きと聞いて嫌な感じがする人も多いと思います。

歴史的に見ればダウン症は、間引かれて来た存在で、親からしたらそういった話を聞いたら時代が違えば自分の子もそうなっていたのかと恐怖が出てくるかもしれません。

現代では生まれて来る前に、出生前診断が高度化して、先に間引いているだけで何も昔とかわったというよりは更に精鋭化しているともいえます。

それをどう受け止めるかは、人によって違うものですが、大抵はその時の時代が持っている価値観のようなものが支配します。

経済や、地域コミュニティーや福祉などの大きな視点からみたら、間引きは必要なシステムなのかもしれません。

しかし、人間一人、個人である、あなたの幸せを追求した時にどうなのか、考えて見る必要があります。

今回は、親の心からダウン症を間引きして幸せを掴むというお話をします。

 

人格が間引かれる

間引きとは、もともとは植物に使われていた言葉です。

植物を栽培したときに、密になりすぎた時、植物の成長に必要な栄養が行き渡らず、全体的に質が落ちてしまいます。

そういった密の部分を一部取り除いて、植物の成長を理想的な状態にするための方法です。

そのような趣旨で、社会に適用が難しい子供を減らして、理想的な状態にしたいと考えた人がそう名付けたのでしょう。それは、国であり、村でありそれぞれの人が考える、その時代の理想があったのでしょう。

つまり、間引きとは、分けて切り離すすることです。

ダウン症の子を、生まれた後に間引く、そういう時代はあったのでしょう。しかし、現代はそうは行きません。

現代の間引きとはまさしく切り離し隔離することです。

物理的にではなく、心理的に間引かれる。

ダウン症の子が生まれたことで、あなたの今まで生きてきた世界は、常識の囲いのようなもので、その囲いから外されたように感じる。そして、それは、不利益で差別的と強く感じるでしょう。

そのような状況は、人生に制限がかかったようで、自由を奪われた感覚になるでしょう。すると、今まで同じ人間だと思っていたのだけれど、制限がある人とない人が存在すると初めて強烈に認識するので、心のなかで知らず知らずのうちに対立意識が生まれます。

「なんで自分だけ?」「自分はダメな人間なのか、、」「私が悪いの?」

「人と違う人生になった」「理想な子育てから離れてしまった」「羨ましい」

「普通になりたい」

このように自尊心が弱くなるので、自分を軽蔑して攻撃したり、相手が自分よりも素晴らしい世界に住んでいると思いこんでしまします。

するとどうなるでしょうか?

まったく新しい世界観があなたの中に作られていきます。

私はこうしないといけない、あれも出来ない、これも難しい、、、そんな風にあなたの世界の一部をどんどん分けて、切り離していきます。

これが自分の中で起きる間引きです。

人は、いくつかの人格を持っています。いや私は多重人格者でないと思っているかもしれませんが、

積極的に発言出来たり行動出来る時と、苦手はことで控えめになったり遠慮する自分もいると思います。これはあなたの人格が色々あって、その状況によって使い分けているのです。

このように人格を切り替えながら、上手く人付き合いや仕事を安全にこなしています。

あなたのなかで心の間引きが起きると、いまある人格をさらに間引いて、細分化し不利な状況に追いやります。

積極的な考えや嬉しいイメージ、ワクワクするような部分が隅っこへ追いやられてしまうかもしれません。

そんな生きづらい心は持ちたくないですよね。

 

間引くのをやめて許す

一方、ダウン症の子がいてもいつもニコニコ、心が通常運転の人もいます。

心の差別的な部分を隔離したり、常識の囲いから外にだしていないので、人格を分けるような方向には行きません。

そんな通常運転のひとは、逆に良い考え方やダメな考え方が一緒になるように努力します。逆に他人に同調したり、ダウン症と同化して人格を統合しようとします。

どういうことかと言うと、ダメな自分がいたら自分を責めるのではなく自分を許します。

たとえば、ダウン症の子は気分の切り替えに時間がかかりますよね。そんな時、親はイライラして怒ってしまうこともあります。

そして後で、「キツく言ってしまって悪かった」と自分を責めるものです。なぜそう責めるのかと言うと、子供に怒ってしまうのは、子供が自分の思い通りにならないからです。

そして、起こることで自分を守っています。人は生命体として、まず自分の安心、安全を確保するように出来ている生物だからです。

時間に遅れるのを許せない人、きちんと身の回りを清潔にしていないと許せない人、そのような考えがあればあるほど、自分の安心を確保するために子供にキツイ言葉を発してしまうのですね。

これは、あなた固有の潜在意識がそうさせているのです。

なので、心の中にある「許せない」を「許す」に変えていかなければなりません。

心が通常運転の人は、~が許せないという価値観があったとしても、「許す」方法を知っているのですね。

間引きに敏感な人は、この許せないをたくさん作り出します。

それが生きづらくしている原因です。

 

間引かずに統合する

間引きという言葉を聞いて、自分の子に当てはまっているからと言って不安になる必要はありません。

たしかに、歴史を見れば戦争や経済が不安定な時代には、間引きのような政策と撮っていた国もあります。そんな時代には、障害者だけでなくその家族も隔離されていたことは本を読めば色々書いてあります。

しかし今は、心の間引きのほうが問題です。国の政策で間引かなくても、あなたの心次第でいくらでも自分から間引かれてしまうからです。

なので、障害を持つ子がいる親は、心を世間から分離して、これは無理だ、悪い、迷惑、嫌がられると切り離してはいけません。

そうではなく、逆に世の中と統合する気持ちが大切です。

ダウン症でもいい、すぐに出来なくてもいい、と「~でもいい」と心を一つにしてください。

そして、少しずつ、「できる」のような嬉しい人格に統合していきましょう。

子供は気持ちの切り替えが少しずつ出来る、走るもできる、お出かけも一日中余裕でできる、海外旅行もできる、自分は新しいことが出来る、みんなのためになることができる。

そんな許しを使いこなせたらもっともっと自由になれるでしょう。

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初めまして。次男はダウン症(21t標準)です。ダウン症の子を育てるうえで私が本当に大切だと思ったこと、実践して日常生活に役にたったことを書いています。興味があれば他の記事も覗いていってくださいね。

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