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脳科学を利用して「ダウン症で人生終わった」を変える

ダウン症の子がといっしょに夢や目標はできたけど現実は変わらないとか、なかなか環境が変化していかないっていう悩みを持っていませんか?

なぜそういう事になるかと言うと、脳が新しい現実を受け入れないで、過去や今の現状を維持しようとしているからなんですね。

そういうときは気分もネガティブになって未来のことを考えづらいです。すると「ダウン症で人生が終わった」「もう人生は終わり」とか考えてしまいます。

なので、脳の仕組みを知って、逆に利用することで目標が実現している新しい自分になることができます。

今回は、脳科学を利用して「ダウン症で人生終わった」を変える方法についてお話します。

現実を邪魔するあなたの脳機能

現状を維持しようとする脳の機能の事を「ホメオスタシス」と言います。

このホメオスタシスがあるために夢や目標を決めても、なかなか現状を変えることが出来ません。

ダウン症の子供がいることはすでに常識から外れていますが、いなかった時代に戻ろうとしています。なので今を打破するのは難しいことです。

ホメオスタシスは別の言い方をすると、現状維持機能のことです。

私たちの体温はだいたい3637度くらいの間に保たれていますよね。体温にもホメオスタシスが働いています。寒くなれば、体温を下げないためにブルブルと震えて体を温めるし、暑くなると汗を流したり体の動きを鈍くしたりして、冷やして体温を下げようとします。

このように一定の幅の中で、同じ状態をキープしようとするのがホメオスタシスの働きです。実は、これと同じことがあなたの心の中でも働いています。

例えば、初対面の人に会うときは、多少なりとも心臓の鼓動が早くなってドキドキし、体の筋肉も緊張して硬くなります。

いつも会っている家族や友人と接してもこうはなりませんが、普段と違うことをすると、こうした反応が起きて、そこから逃げようとするのです。

ダウン症の子が生まれた時は、異常だと思うので元の生活に戻ろうとしているのです。この異常値がものすごく大きいので「人生終わった」と考えてしまいます。

人生は終わったのではなく、新人生が始まったので別人レベルでいきていかなければいけません。

そして、新しいこと始めようとしても、すぐにやめてしまうことがあります。もちろん面白くなかった、イメージと違った、自分には無理そうという理由もあると思いますが、ホメオスタシスの範囲の外に出ようとすると、引き戻されて元の状態に戻ってしまうのです。

常識の外ということですね。

脳の正しい考え方

ここまでお話すると、「ホメオスタシスって、理想のを邪魔する悪者なんじゃないか?」という印象を持たれるかもしれません。

なにしろ、自分がダウン症を受け入れて変わろうとすると引き戻そうとする勢力ですからね。

しかし、必ずしもそういうわけではないのです。

子供と一緒に夢や目標を達成するためには、このホメオスタシスと上手に付き合って、正しく利用することが必要です。ホメオスタシスは非常に強力なので、敵に回すと厄介になりますが、味方にするとこれほど頼もしいものはありません。

ホメオスタシスについてはコーチングではよく、「ホメオスタシスを破壊する」とか「ホメオスタシスの機能を止める」というようなことが言われることがあります。

しかしこれは大きな間違いです。本当は、ホメオスタシスが働く「方向を変えること」なのです。

人生終わった、から人生始まったに方向を変えます。

ダウン症の子と理想を現実にするホメオスタシス

どうしたら子供と一緒に新しい自分になる事が出来るのかというと、そのひとつの方法は繰り返しやることです。

繰り返しやって慣れてしまう事でホメオスタシスが新しい自分の方に働くようになります。

例えば私は、コーチングを勉強し始めたときは、なんだかスピリチュアル的で本当に効果があるのかな?人の人生を変えていけるのかなと不安に思っていました。

実際にコーチングをすると、上手くいく点や失敗することもありました。それでも繰り返しすることでパターンがわかったり、確信に変わっていくことがあります。

脳は、繰り返しあることを経験すると、だんだんと慣れていきます。その状況が当たり前になり、好きになりさえするのです。

すると、ますます知識も整理されて、どうやったら人が抱えている常識を突破できるのか、心の制限を外してあげられるのかわかってきました。

繰り返しやるということはよく言われていることですね。でもホメオスタシスの機能を理解して実践すると、「いま戻されているな」ときちんと感じることができるので、すぐにやめてしまったりすることを防ぐことも意識できます。

人生終わったという縛りを、理想の未来に向けてやりたいことを繰り替えしすることです。

そうすると終った感がだんだん弱くなってきます。

あと、それ以外に人と仲良くなったり、好きになってもらうのに有効な方法をご存知ですか?

それは、単純に会う回数を多くすることなのです。そうすると、相手はだんだんそれが当たり前になってきて、仲良くなったり好きになったりするようになります。

慣れてしまえば、もうその状態に対してホメオスタシスが働くようになります。毎日歯磨きをしていると、歯磨きしないと気持ちが悪くなるのと同じことです。

皆さんも私と同じように新しい自分の行動とか新しい自分の環境っていうのに繰り返し触れる事で慣れていってみてください。そうするとそれがもう当たり前の状況になっていきます。

あなたのダウン症の世界を変えていくのは大変です。なのでコーチやメンターなどひとの力を借りることも大切です。

ゴールから逆算して自分があるべきゴール側の姿をよく考えてみてください。

例えばゴールに相応しい行きつけの店に行ってみるとか、そういう行動を取る事によってゴール側の自分が当たり前の状況になっていきます。

最初はちょっと緊張したりするかもしれないんですが、必ず慣れますのでそこは安心して取り組んでみてください。

強力なイメージトレーニングのちから

ホメオスタシスをきちんと毎日動かすには、イメージの力を使うことも有効です。

主婦や仕事をしている人は時間がないので、繰り返し何度も実際に体験するのは大変です。

また、ダウン症の親の多くは、ダウン症のネガティブな情報が入りすぎているので、理想をイメージすることが出来ない場合が多いです。

ただそういう人でも、行動ではなく、楽~にイメージしてみましょう。

イメージも、実際に体験する方法と同じように、何度も繰り返して当たり前にしていきます。スポーツ選手のイメージトレーニングでは、競技の場面を何度もイメージします。

それによって、本番でリラックスできるようになったり、イメージ通りのパフォーマンスを出せるようになるのです。

水泳の選手がイメージトレーニングをしていることで有名で、自分の体がゴールまで1mmも誤差なく完璧に動作すること集中して実践しているそうです。

私の知り合いのスポーツコーチが言っていましたが、サッカーでも野球でも卓球でも、本質は、自分の体をイメージどおりに動かせるかどうかにかかっているそうです。

プロ選手は、コーチが伝えたことや、手本を見せた時に誤差なく真似てくるそうです。それは相手の動きをみて、頭でイメージしたことを体に反映できるようイメージトレーニグして、さらに体の動きを合わせることを繰り返しているからです。

つまり、テクニックや◯◯教室というのは、最後の部分で、そのまえにイメージと体の繰り返し動作があるのです。

イメージを具体化させずに、テクニックや◯◯教室に通っても意味がないことです。

良いイメージ法がどんなのがあるのか見ていきましょう。

自分事としてイメージする

イメージする際は、自分が外から第三者として見ているのではなくて、自分が本当に体験しているようにイメージしましょう。そうすることにより、より効果を高くすることができます。

子供のことで周りの人と比較したり、気にする必要はありません。あくまで自分がワクワクするイメージができれば良いのです。

たとえば水泳選手がしているイメージトレーニングは、自分が本当に技をやっているようにイメージするものです。1人称イメージと言います。それに対して、第三者の視点からイメージすることを3人称イメージと言います。

外から自分を見るようにイメージするより、1人称イメージの方が効果が高くなります。3人称イメージでは、筋肉を動かす脳の部位がほとんど活動しませんが、1人称イメージではよく活動します。

それは自分ごとになるし、人生が続くとイメージすることができますよね。

五感を利用する

1人称イメージを作るにはどうしたらいいでしょうか。

それには五感を意識することが必要です。スポーツなら体の感覚が特に重要でしょう。自分がイメージで体験している場面の、視覚だけではなく、肌触り、匂い、音、味、口触りがどんなものかを付け加えると、よりリアルになります。

そうすることで、あたかも自分が体験しているかのように感じることができるのです。

私も、クライアントと会う前にイメージを使っています。例えば、どんな悩みがあるのか?それを聞いた時にどう反応するのか事前に体感しておいて、1人称になるようにしています。

そうすることで、相手を理解するのが早くなります。

私は昔から親にあなたはよくぼーっとしていると怒られていました。ただ、自分はぼーっとしていたつもりはなく何か考えていて、イメージするのが好きだったので、無意識にやっていました。

これが1人称イメージなのだと思いますし、実際に行動に移すのが早いと自分では思っています。

もちろん、練習すればもっとイメージが上手になるでしょうし、今1人称でできないという人も、練習すればできるようになるはずです。

多分ほとんどの人が、夢の中では1人称イメージを見ていると思いますので、できないということはありませんよね!

過去の体験と組み合わせる

そして、イメージトレーニングだけではなくて、実際に体験するということも両方同時並行でやっていけば、より早く新しい状態に慣れることができます。

スポーツなら、体を動かす練習と、イメージトレーニングを両方するということです。両方やっている人の方が当然ながら上達は早くなります。

ゴールや夢に必要なことを、イメージや体験を繰り返して当たり前の状態にしていきましょう。そうすることでホメオスタシスは、新しい自分に対して働くようになります。

例えば、ダウン症の子との理想の未来が当たり前になれば、ダウン症で悩んでいる自分はおかしいので、ホメオスタシスが強い力で成功するように働きます。

ダウン症の人生終わったを人生続けたいに変える

今回は、脳科学を利用して「ダウン症で人生終わった」を変えるというお話をしました。

夢や目標にふさわしい、新しい自分になるためにはホメオスタシスを味方につけることが大切です。ホメオスタシスは、変化を引き戻す働きがあります。

そのため、新しいことができなかったり、すぐに理想を諦めてしまうということが起こります。

しかしホメオスタシスは悪者ではありません。ホメオスタシスの力を利用するには、新しい状況の方が当たり前という状態にすればいいのです。

つまり、ダウン症を味方につけるということです。

そのためには、何度も経験して慣れること、そしてイメージトレーニングを繰り返すことが必要です。脳は繰り返すことによって新しい状況になれ、それが好きにさえなります。

イメージをする時には、第三者から自分を見る3人称イメージではなく、自分が実際に体験しているようにイメージする1人称イメージがより効果的です。

そして、イメージと体験を両方組み合わせることが、より早く変化していくことができます。

新しい自分ホメオスタシスが働くようになれば、ホメオスタシスはあなたの「人生が終わった」から「人生が続けたい」に変わり、夢の実現の強力な味方になりますよ!

 

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初めまして。次男はダウン症(21t標準)です。ダウン症の子を育てるうえで私が本当に大切だと思ったこと、実践して日常生活に役にたったことを書いています。興味があれば他の記事も覗いていってくださいね。

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