ダウン症の親の思考の1つに「自分を責める思考」があります。
周りに迷惑をかけているのは自分とか、自分のせいだからなんとかしないといけないとか、私の責任で子供をうまく成長させてないといけないとかです。
また、親の判断でダウン症の子を覚悟して生んだとしても、子育てでどうしても上手くいかないときは必ずあります。そういった時に自分が悪いと考えてしまうこともあります。
うまくいかない時は自分を責める理由を探して、貶めてしまうのです。
この思考を持つと、自分に対して自信を持てなくなり、不安や恐怖が強くなって幸せを感じられなくなります。
そして、不安を埋めるために余計な行動が多くなってしまいます。なので、まずは自分を責めることを目なければなりません。
しかし、世間一般的には、自分を責めたり、厳しくしたり、一生懸命トレーニングするのは良いことだと思われています。
反対に、自分のことを、自分は頑張っていると褒めたり、トレーニングや勉強をしない人は間違っている、自分に甘いなどと言われ強く批判されたり、陰口を言われたします。
つまり、幸せになるには世の中と反対の価値観が必要なのですが、そのことに多くの人はきづけません。
しかし、本当にダウン症の子と幸せになるには、価値観を変える必要があります。健常者の親であれば、そのままの価値観でもやっていけるのかもしれません。それは、健常者の子供ならではの幸せをたくさん享受できるからです。
意思疎通で言いたい意見を交わせたり、自分を超えるような成長を見送る事ができるからです。
しかし、ダウン症の親はそう簡単にそうはいきません。その中で幸せを見つけていくには自分を責める思考とやめることが大切になってきます。
今回は、自分を責めると不安が大きくなり、トレーニングコレクターになってしまうというお話をします。
自分を責めてもうまくいかないのはなぜか
自分を責める思考とはいったい何を考えているのでしょうか?
それは、自分の欠点や、上手くいっていない点、自分を悪いと思う点を思い出して、それが出来ないの自分はなんて駄目なやつだと自己否定してしまっているのです。
ダウン症を産んだ自分はよくないとか、自分のことでなくても子供が親族や家族、周りのお友達に迷惑をかけているとか思ったりするわけです。
強がっていても本心では、自己否定している可能性があります。
なので、自分でそんな自分を認められるように子育てのスキルを身に着けたり、子供の運動能力や知力トレーニングに一生懸命しなくちゃと語りかけているのです。
コーチングでは、セルフトークという自分自身に語りかけて潜在意識を変えていく方法があります。これはなりたい自分を想像したりしてイメージや臨場感を高める方法で、うまく効果がでるひとには有効なものですが、
これの自己否定版をしてしまっているわけです。責めるセルフトークです。ということは、効く人にはすごく不安が高まってしまうことになります。
すると、不安が大きくなるので、なんとか不安を回避しようとして色々なトレーニングや親の会にでたりします。
しかし、なかなか良くなる実感を得られなかったり、子供が急に運動能力や知力が向上するわけでもないので、次から次へと勉強して、トレーニングコレクターになってしまうのです。
扁平足を直さないと、視力を上げておかないと、目のゆらぎを押さえないと、太り過ぎはよくない、大声をださないようにしないとなど、
手、口、足、首、、細かく言えば無限に修正する点は出てきます。
とにかく不安の穴埋めをしないといけないので、学びが止まりません。SNSで情報を調べたり、どこかに魅力的な対処法がないかという思考になります。
とくにダウン症の子をもつ親は、こうした考えが強いといつまでも不安を抱えたまま生活していくことになります。
なぜかというと、ダウン症の子を完全にすることは出来ないからです。永遠に出来ない穴埋め作業をやっているわけです。
もちろん、完全とはいかなくても、せめて健常者に近づけるようにとか、親と意思疎通できるようになど程度はあると思います。
どちらにしても、穴埋め作業であり、自分を責めている流れの一部なのです。
なぜ自分を責めることを続けるのか
しかし、なぜこのように自分を責める思考になるのでしょうか?
それは、その方が親にとって楽だからです。
学びを続けたほうが少しでも安心出来るから、わざと自分を責めるのを続けているともいえます。
欠点は探そうと思えばいくらでも探せるし、新しく作ろうと思えば作れるからです。
他人と比較したり、雑誌を見て子供がこんなふうになったらいいなと思えば、いくらでも良くない点をみつけれれます。
たとえば、背が低いことを気にしている人は背が低いから恋愛もうまくいかない、高学歴でないから会社でも評価があがらないなど、いくらでも欠点を作り出すことができます。
それを穴埋めすれば楽になる、うまくいくと思っているから止まらなくなります。
止めようと思っても、多くの人は自分を責めることは悪いことではないと思っています。トレーニングすることが正しいと子供のころから教えられているわけです。
しかし、それをやめないと幸せになることはできません。
なのでこのタイミングで価値観を変えることが大切です。
自分の価値を信じて刷り込みを外す
それでは価値観を変えるにはどうすれば良いでしょうか?
それには自分の価値を信じて、自分を責める考えに反抗することです。他人がどうであろうと、どんな状況であろうと自分はそのままで良くて、自分には色々なできることがある、自信があると思いましょう。
たとえば、「完璧主義」があります。
- 子供が迷惑をかけてはいけない
- 親がすべて面倒をみないといけない
そのほかにも「~しなければいけない」という考えもあります。
- 子供もきちんと労働しないといけない
- 自分がうまく育てないといけない
- 子供を優先させないといけない
- 自分が好きなことをしてはいけない
このような基準があるから、それが上手くいかないと自分を責めるようになります。
子育てしていれば、失敗ばかりだと思います。私の次男もダウン症ですが、こうやったらうまくいくだろうと思っていても、そうはなりませんしね。
それが完全に上手くしないといけいと思うと自分を責める思考になります。
どうすれば良いかというと、自分を信じる、つまり自分が良いと思っていることを受け入れて、責めるのをやめることです。
もちろん、自分のことを受け入れても間違いはありますが、間違いがあれば修正する必要があります。
いつまでも不安が大きいとか喜びを感じられないのであれば、やり方が間違っている可能性もあるので誰かに見てもらったほうがいいかもしれません。
ただ基本的に、自分を責めていては間違いにも気づけないわけです。
自分を責めて出てくる不安を埋める方法を見つけるのではなく、自分が自信をもっているもの、やりたいことを軸に考えてみてください。
相手や周りの常識が拒否したとしても、自分を信じて行動してみましょう。自分の価値は相手にはわかりませんし、人とは全く違うものです。
そこが理解できると、自分は良くやっていると褒める事ができるし、自己肯定感にもつながります。すると思考も行動も良い方向に向いてきます。
今回は、自分に厳しくすると子供のトレーニングが止まらなくなる理由についてお話しました。
自分に対して責めるセルフトークをすると、不安ばかりが大きくなります。なので、自分を認めて受け入れて、褒めることです。
世間は、自分に厳しく努力したり、トレーニングにたほうか価値があると思っています。しかしそれで多くの人が幸せになっているでしょうか?私は、そうは思えません。
本当の豊かな人生とは逆の思考です。
なので価値観を転換させることが大切です。
自分を責めるのをやめて、褒めてあげることで不安を埋める無駄な行動がなくなります。穴埋め作業は自分の本当にやりたいこと、望んでいることと関係ないことをしてしまっています。
自分の望むことをするには、自分自身を認めて褒めてあげることです。それが、ダウン症の子供と自由で幸せな未来を作るマインドなのです。