ダウン症の子供が生まれたことは、家族の未来の危機だと思っているかもしれません。しかし逆にチャンスだと思っている人も世の中にはいます。
なんだってそうで、世界には1つの考え方しか無いというのはありせません。
育った環境や、持っているお金、人生をいかに楽しく過ごすか、どんな趣味を持つか人それぞれ考え方によって、向こうからやってくる危機レベルも変わってきます。
ダウン症の親は、ダウン症の告知を受けることで理想の子供像が一気にくずれてしまいます。だいたい、どの親もいずれは子供の理想はなくなるものですが、
それは徐々に薄れていき、そのかわりにかけがえのない子育ての経験を変わりに得ることが出来きるので理想を捨てられます。
しかし、ダウン症の親はその経験をすることなく、いきなり理想像が崩れるので大変なわけです。
そうであれば、どのような受容のプロセスがあり、どんな考え方をすれば良いのか考えることが大切です。
今回は、家族の危機はだれにでもあるというお話をします。
家族の危機はだれにでも起きる
ダウン症の親は、家族の危機は自分達だけに与えられた試練だと思うかもしれませんが、実は誰にでも起きるとことです。
ダウン症の子供のことで離婚する家族もいれば、より結びつきが強くなる家族もいます。子供のことより、性格の不一致で別れる人も膨大にいますよね。
家族の危機的モデルと言われている「2重ABCXモデル」では、発生したストレスは、今持っている資源(お金やスキル)と認識(今後どんな状態になるかという知識)によって、危機状況が変わるというものです。
つまり、ダウン症の子が生まれても、財産と知識がどれだけあるかで、受け止め方が変わるということです。たしかに資産が100億円あれば、死にたいと落ち込むほど悲観したりはしないと思います。対処法がいろいろ可能だからです。
一般的に、家族は子供が生まれると満足度が低下すると言われています。
特に男性の場合、性生活の減少や育児・家事等のストレスが増え女性より人生が面白くなくなると言われています。
それがつもり積もって危機に陥ることはよく聞く話ですよね。
危機が起きた時にどう考えられるかは、自分の知識次第なのです。そうであれば、ダウン症の子との生活で、閉塞感をやぶって前に進み、残りの人生を楽しむためにはまず自分を知ることが大切です。
危機の過去と未来
そうはいっても、理想の子育てや未来がいきなり崩れてしまうので、なかなか良い未来を考えられないかもしれません。
自分は今どうすればよいのか段階があるからです。大切なのはいつでも未来を観ることです。
過去に意味はありません。過去は常に解釈が変わります。
投資で100万円損した人でも、数年後に2000万円になれば、あの時の損は勉強するのに必要だったと解釈出来ます。
そして過去は、正確ではありません。記憶は常に上書きされているため、また自分の良いように記憶を作ります。しかもダウン症などのネガティブな記憶は、悪い方向に書き換えられる可能性が高いです。
いつもで自分を作るのは未来です。未来が過去の解釈も記憶も変える力を持っています。
人生の喪失から復活へのプロセス
未来を作っていくのには、復活へのプロセスがあります。
ドローター(1975)は、子供の障害についての親の受容過程を示しています。
「ショック→否認→悲しみと怒り→受容」と書かれていますが、私自信、次男がダウン症ですがこの通りにはいきませんでした。
私の場合は、
拒否→不安→比較→怒り→悲しみ(受容)
的な感じでした。
ダウン症がどういうものかさっぱり分からないので、対処方法は理由が不明です。すると解決出来ないので不安になります。
この場合必要なのは、知識です。本を読んでも納得出来ないときは、経験者などに聞く必要があります。
すると周りとの比較が始まります。さらに理解が深まると、対処しようとしても解決出来ないことも多くそういった感情は怒りとなったりするのです。
自分の出来ることを進めていく過程で、初めて「ダウン症の子とより良い生活を送るためにはどうすればよいのか?」と本気で考え始める事が出来ます。
そうして初めて、未来を強くイメージ出来るようになります。
小さなゴールを実現する
家族の危機は、どの家族にもあります。それは小さいものから大きなものまで。
でも、大きい小さいはダウン症に関係がありません。それは受け取った本人が決めることだからです。
だから周りの人に対して哀れんだりすることもないし、出来る範囲で支援してくれれば良いと思うことです。
そして、子供と充実した人生を作るためにゴールを設定することです。ゴールは未来であり、未来から過去を変えていきます。
小さなゴールを作ってみてください。
たとえば、ダウン症の子と旅行にいくとか、生まれた時はこんなことは無理だろうと思ったことを書き出してみてください。
その中のひとつ2つチャレンジしてみましょう。どうすれば実現出来るのか、考えてみるのです。自分ひとりで難しれければ、誰かに相談したり、コーチングを使うのも有効な方法です。
そして、子供との良い生活の先に、
自分にとって、
自分の人生を良くするために何が出来るのか考える事が出来ます。
どんなやりたいことがあるのか、ワクワクするような未来を作ることが可能です。それは、ダウン症の子供が生まれてくる前の理想を超えるものかもしれません。
今回は、家族の危機はだれにでもあるという話をしました。
危機の受け取り方は、その人のお金や知識が決めます。そして、障害者の受容の過程のなかで、過去ではなく未来をみることで現状を変えていきましょう。
小さなゴールを設定することで、子供との理想の未来を少しづつ実現出来ます。
それは、自分の常識を超えて、自分自身の大きな理想の未来を実現するはじめのステップでもあるのです。