あなたは、ダウン症の子供ともっとコミュニケーションを取りたいと思いませんか?
だとしたら子供の体の特徴を知ることで、よりあなたに反応してくれるようになるし、思いを伝える事が出来るようになります。
今回は、体と脳の特徴を知ることで、最短でダウン症の子供とより良い関係を築く方法について話していきます。
ペンフィールドマップが教えてくれる手足や体の特徴
人体や脳の仕組みを知るのに、ペンフィールドマップというものがあります。
一体何かというと、脳みそ全体に対してのある部位の影響の大きさを表した、人体地図です。
簡単に言うと、脳が敏感に反応したり感じる部位を表したものです。
ペンフィールドマップを見てみます。

これが人間のマップで、この異様な外観は、その反応度が高い部位の特徴を知ることが出来ます。
良く見てください。まず手です。他の部位の10倍は大きいでしょうか。
それだけ、手のいう器官が人間にとって重要なものだと意味しています。
普段生活していて、手を触られているのに、何かに集中していて気が付かなかったという人は少ないのではないでしょうか。それだけ手から入る情報にはみな敏感なのです。
私の次男はダウン症です。
手を繋ぐという事はこれまでも子育での中で日常的にしてきたし、寝る時なども体をしばらく擦ったりすると落着いて寝てくれて、背中だけでなく首筋や手を軽くスーッと触ってあげると、気持ち良さそうです。
それに加えて、私の場合、凄く効果があったのが、一緒にデコボコしたコンクリートの歩道を歩いている時、そっとサラサラした手を握り、だた繋いでおくだけでなく、手を揉みながら進みます。
手の真ん中を押してみたり、指の関節だけつまんでみたり、グーにさせて包んでみたり、やることはいっぱいあります。
そうすると、手を離す回数が減ったし、何よりずっと繋いでいる実感が伝わるのか、時々私の顔を見たりして、意識出来ているのがほんの少し分かったのです。気づいたのです。
ペンフィールドマップで他の所もみてみましょう。
次に目立っている所が、口や唇です。
口は脳に近い器官としては、異様な反応の大きさで、確かにウィルスや泥などの異物が体へ侵入するのを防いでいます。
唇は、生命維持のためにも重要な器官であり、敏感に成らざる得ません。
子供とのコミュニケーションで、特に幼少期はよく頬すりしたり、可愛くチューをしたりしましたよね。
特に言葉でうまく伝えられない時期は、子供からよく自分の顔を触って来たものです。
ダウン症の次男は、あまり自分の指をしゃぶるというような仕草はしなかったのですが、よく私の小指を舐めたり、咥えたりしました。
私から小指を口の中に入れてあげると落着いたり、歯磨き刷る時にまず指で歯磨きする所を触ってあげたりしてから、歯ブラシを入れるとスムースに行くことが多かったです。もちろん指をきちんと洗ったお風呂の後とかにしていました。そうしないとお母さんが怒るからです。当たり前ですよね。
なので、唇や口の中は凄く感度が良いというか、自分と繋がっているという感覚が子供には密かにあるのかもしれません。
人間の感覚器で重要なのは、手と口でした。
もちろんダウン症の子供でもその特徴は変わりません。
であれば、この特徴を活かして、もっと子供と心を通じ合わせる事ができると思いませんか?
話してきた私の例も継続ありきです。
すぐにそう感じたわけではないですし、何回も何回も試行錯誤しながら試しました。
すると、本当にある時、今までと違う反応が来る事になります。
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ダウン症の子とグー|チョ|キ|パー|の感覚を共有する
ダウン症の子供の口からでる会話にも心を近づけるヒントがあります。
ダウン症の子は、なかなか会話がうまく続かなかったりして、意思疎通がもどかしい場面も多いです。
それは、子供が言葉を上手く認識していないからなのです。
単語1つ1つの音から成り立っていると認識出来た時、単語を頑張って分解して喋ろうとします。
そうするためには口の筋肉のトレーニングも必要なのです。
3つの事を繰り返します。
- 舌先をとがらせる
- 舌先を上下左右にコントロールする
- 舌を平たくする
そして、単語は「音節区切り」にして、しっかりと1つの音を作ってあげます。
音節区切りとは、以下のようなものです。

簡単に言うと漢字一文字で区切ってあげると言うことです。
大きなお口を開けてゆっくりしゃべれば誰でもできますよね。
ダウン症の子供の言葉によるコミュ ニケーションを強くするには、音節を意識して「音を聞き取る練習」や「音節数を意識させる練習」が効果的なのです。
こういったトレーニングは、教育機関や大学の実験でも広く実施され、実際お母さんからは、
「会話のターン数が増えた」
「伝えたい言葉を 1 文字ずつ分けて,ゆっ くりと言うようになった」
「会話量が増えた」
「兄弟の言うことをよく真似し始めた」
「友達に対して 積極的に挨拶をするようになった」
「言葉がはっきりしてきたような気がする」
などアンケート結果が出ています。
実際に効果も出る方法なので、是非試してみてください。
まとめると、ダウン症の子供にとって、親子の感覚を共有するには、
- 単語は 1つ1つの音の集合体であるという意識が定着する
- 日常生活において話す音をしっかり聞くという習慣
- 他者に自分の伝えたいことが伝わったという経験を得る
子供のこういった新しい経験が、脳に刺激を与え、最高の喜びとなる事で、新しいあなたとの関係を築く事が出来ます。
あなたのペースに子供をあわせる
ダウン症の子供の成長は、本当に健常者の半分以下だと思います。
多くのお母さんは、いろんな幼児教育をされてきたかもしれませんし、STの先生などを渡り歩いた方もいるかもしれません。
実際に、効果はすぐには出ず、ゆっくりゆっくり成長していきますよね。時には数ヶ月以上も成長を感じる事が出来ないことも良くあります。それは健常者を育ててる親から見れば異常な世界かもしれません。
でも、それでいいんです。
焦らないで音節区切りの練習なども、子供の気分に合わせてするのが一番良いです。
子供のペースに合わせるのではなく、あなたのペースに子供を合わせるのです。
どうしてかというと、あなたが自分と子供の良い未来をイメージする事が大切だからです。
目標として、子供と将来どの様に過ごしているのか、あなたはどんな活動をしてどの様な人達に囲まれて生活しているのか、周りからはどの様に思われていると感じているのか。どんな服を来て、どんな話方をしているのか?
あなたが望んでいる以上の、より良い未来の人格を強く想像するのです。
周りはぼやけていても、あなた自身ははっきりを意識していてください。
そうすると、現在の自分と未来の自分との違いが見えてきます。そして、気づきが出てくるのです。
それに気づけることが出来れば、現在の自分を自動的に変えていく無意識の原動力となります。
子供が気付くのではなく、あなたが気付く事で、子供が気付くのです。
手の感覚や、口の中の事、舌のトレーニングから音節など、どんどん気づいて行けます。
今回は、ペンフィールドマップなどから子供の感覚を知る事で、親子の心を近づける方法について話してきました。
感覚を上手く利用して、自分のお子さんにあった反応を良く見てください。すぐには変われないかもしれませんし、変化はほんの少しかもしれません。
しかし、そのほんの少し知ることで、大きく変わる事も、当たり前にあるのです。
だから、未来の自分を強くイメージして、どんどん違いに気づいていってくださいね。