ダウン症の子を持つ親は、行政のサポートを調べたり、NPOなどの支援の内容を確認することに余念がない人が多いです。
つまり、周りからのサポートをたくさん受けた方がいいと思って、悩んでいます。
私は、一人でも多くの親に、自力で子供と一緒に好きなことが出来る豊かな未来を作ってほしいと思っています。
それは、周りの援助を必死に探すということではないです。
それよりも、自分をもっと好きになって、今の自分を変化させることがの方が大切です。自分を変化させる必要に気づいていない人が多いです。
今回は、周りが援助してくれると思っているのはただの幻想というお話をします。
育児スキルは探さない
ダウン症の子を持つ親は、子供を健常者並みのスピードで、周り子に追いつけ追い越せの精神で育てたいと思っているかもしれません。
しかし、モザイク型でもない限り、ダウン症の子は、知能や初期疾患、または身体的に特徴があるので思い通りにいきません。
すると、親の成長というよりは、子供をいかに健常者に近づけるスキルはないか探し回ったり、身につけようとします。
たとえば、療育センターに通ったり、STやOTの先生に通院するなどです。
しかし、いくらダウン症の子にあった育児スキルを学んでも、悩みは尽きません。成長していくたびに問題はでてくるからです。これは別にダウン症でなくても、健常者でも同じです。
なので、スキルを探すのではなく、親自身のマインドを変える必要があります。
子供は失敗するのが当たり前
何か子供に上手になってもらいたい、これだけは出来てほしいものがあると思います。それは切実な思いですよね。
たとえば、歩いてほしい、お箸で食べてほしい、字を読めてほしい、トイレでおしっこしてほしい
そんな時、それが子供が出来るようにするスキルを探すより、マインドを変えてください。子供は失敗して当たり前で、上手くいかないことを繰り返したり、少しずつ改善していくことで、親子にあった教育になっていくのですね。
一方、周りの人が援助してくれると思っている人は、あのやり方が良いみたいとか、Aちゃんは◯◯先生の所に通っていると言われると、そこに行かないと取り残されたような感じになると思います。
周りへの嫉妬があるので、その嫉妬を埋めようと親が、子供に関係なく頑張ってしまうのです。
すると、親の足りない部分を、新しい◯◯療法で埋めようと思い、自分の劣等感の原因に気づかずに空回りします。
多くのスキルは必要ないのです。
なぜなら、子供は少しづつでも自分で成長していくからです。また、親は、上手く行かなかった時、すぐに別のやり方を探すのではなく、子供の反応が正しいと信じることです。
子供が泣いたり、怒ったり、嫌がったりするのは理由があるからです。
なので、その原因をできるだけ見つけるようにしましょう。嬉しいこと、楽しいこと、気持ちいいことを与えられていません。
それに、子供はまだまだ本能的で、自分が生き残るために理性よりも感情を使います。親の理屈はほとんど通じません。
また、親はそんなこと分かっているつもりでも、ついイラっと感情がでると、目の前の子を、いきなりひとりの人、として認識してしまうのですね。
もちろんダウン症の子は言葉が出なくて意思疎通が難しい場合もあります。数日で改善するなんてことは、ほとんどないので、一度やり始めたら、子供の反応を見ながら、親がやり方を変化させながら、改善することです。
ここを我慢できなければすぐに他の方法を探す旅が始まります。
しかしそれでは、いつがたっても子供中心ではなく、親中心の育児から抜け出せません。
援助してくれるという幻想を捨てる
援助してもらうという、受け身の姿勢を捨ててみてください。
アドバイスや言われたことをやってみても成果が出ないことは多いです。特にダウン症の子の場合、個人差も大きいし、家庭によって取り組める時間や環境が全く違います。
そんな時、受け身の姿勢だと、相手を批判したり、逆に自分が悪いと思ってしまいます。
相手は自分にきちんとしないといけないと、「~しなければいけない思考」になるので、嫌な気持ちや怒りや悲しみといった感情が出てきます。つまり、悪いことが起こっていると考えるのです。
逆に、誰かに援助してもらう、ではなく、自分が援助する、という自己責任を持てると、良いことを起こすにはどうすればよいかと考えれます。
誰かのスキルでとか、教えてもらうではなく、自分を変えていけるようなマインドを持つことで、
これまでの幻想を振り切って、
子供と一緒に、何か新しいことにチャレンジする、理想の未来がやっと見えてきます。